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2013年10月28日 (月)

富良野といえば、ドラマ『北の国から』の舞台になったことで有名。ホテルの前には富良野を舞台にしたドラマがテーマになった施設、ドラマ館がある。中では『北の国から』に代表されるドラマのパネルや、関連した商品を見ることができる。

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(『北の国から』の脚本を書いた倉本聰氏の著作が置かれている。『ニングル』はアイヌの伝承における小人が登場する小説)

富良野市は北海道の中央に位置する市で、「へその町」として知られる。面積は約600平方キロメートル。内陸性気候で四季の差が明瞭であり、盆地のため寒暖の差が大きい。雨は春夏は少なく、秋に多いことがある。冬の寒さは厳しい。
ラベンダー畑やスキー場などの観光産業と農業が盛んで、ブドウ栽培もされており珍しい市営のワイン工場がある。乳製品の生産も行われており、「ふらのチーズ工房」などの体験施設もある。

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(ホテル近くのロープウェーは夏期運行。残念ながら現在は休業中)

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森内名人の指した△3一玉(図)が渡辺新手。2008年の第21期竜王戦七番勝負第6局、▲羽生善治名人-△渡辺明竜王戦(肩書きは当時)で指された新手だ。▲6五歩で角交換に持ち込んで激しく戦う順が見えているなかで、じっと玉を囲って「指せる」と見た順は、大きな衝撃をもたらしたものだった。当時の中継コメントを見ると、鈴木大介八段が「▲6五歩に、どうするんですか?」と戸惑っている場面が見られる。その後追随して指されることが増え、今では定跡のひとつになっている。

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渡辺竜王が▲7五歩(図)と突いたことで盤上の流れが激しくなった。▲6八角と引けば穏やかな展開になっていたところだ。本譜は角の安定を許さない積極的な指し方である。▲7五歩以下は△8四飛▲7四歩△同飛と進行。後手陣を角の打ち込みに弱い形にした代わりに、攻めを呼び込んでいる面もある。互いに突っ張った最強の手を続けると、すぐに終盤戦に突入する可能性のある形だ。
控室では青野九段、森下九段、中座七段、石田四段が継ぎ盤で検討中。盤面は終盤になっており、「詰めろ」「詰む」といった言葉が飛び交っていた。

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先手の渡辺竜王が矢倉を目指すと、後手の森内名人は△5三銀右(図)と上がった。序盤からリードを奪いにいく積極的な作戦だ。興味深いことに、これは第1局で渡辺竜王が指した作戦。それだけに、森内名人の「先後どちらを持っても勝ちますよ」という意志の表れともとれる。思い返せば、今春に行われた第71期名人戦七番勝負でも、森内名人は挑戦者・羽生善治三冠を相手に第1局、第2局と(こちらは相掛かりだが)同じ形の表裏を持って連勝していた。本局で森内名人が勝てば、一局の勝利にとどまらず、シリーズ全体に与える影響は大きくなるだろう。渡辺竜王はこの手を見て、険しい表情でじっと考え込んでいる。

対局室では記録係の伊藤三段が駒を磨いていた。やがて立会人の大内九段が現れると、外の景色を見て「北海道らしいね。本州の山とは違うね」と話す。「若い時に北海道の山を全部登ればよかったなあ」と、旅行好きの一面をのぞかせていた。対局開始の定刻が近づき、森内名人が入室。続けて渡辺竜王が入室した。

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