図の75手目▲7五同銀の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は丸山2時間1分、渡辺46分。対局は13時30分に再開されます。
1日目の午前としてはかなり進みましたが、渡辺竜王は想定内の進行ならば、さほど時間を使わずに指していくため、対局者の波長が合えば本局のようなケースは少なくありません。それでも、75手目まで進んだのは珍しい。この▲7五同銀が丸山九段用意の新手で、前例のない局面になりました。
カテゴリ「第25期竜王戦七番勝負第1局」の記事
2012年10月15日 (月)
将棋の町 天童市 1
ほほえみの宿 滝の湯 2
ほほえみの宿 滝の湯は、将棋の普及や文化振興のため永年にわたり多大な貢献をされた方を賞賛する「大山康晴賞」を受賞しました。ほほえみの宿 滝の湯は竜王戦や十段戦(竜王戦の前身棋戦)の対局場というだけでなく、将棋大会の開催に尽力されています。
【授賞式の模様】
http://www.shogi.or.jp/topics/2012/09/19-6.html
ほほえみの宿 滝の湯 1
定跡の進行
図は41手目の局面。丸山九段が▲6六歩と突いたことで、前期と違う定跡に進みました。時刻は11時40分ですが、早くも中盤戦に入りました。「早いなぁ。1日制の感じですね」と立会人の勝浦九段も驚きを隠せません。
戦型は角換わり腰掛け銀
先手番となった丸山九段は角換わりを志向しました。渡辺竜王は昨年同様に受けて立ちます(第1図)。この立ち上がりは手損のない角換わりです。
なお、丸山九段の後手番での得意戦法で、昨年の奇数局で現れた一手損角換わりは、符号というと△8八角成(角を取る)▲同銀(角を取り返しながら二段目に銀が上がる)△2二銀と進みます。後手が銀を上がるために2手必要、先手は1手で済んでいるため、後手が1手損していることが分かります(参考図)。
第1図からしばらく進んで第2図へ。丸山九段が長考。このあたりは序盤戦の駆け引きです。先手は▲6六歩と位を保つことが可能で、丸山九段がこの手を指せば、前期の第2局や第4局でテーマになった△6五歩型にはならず、他の形に進むことになります。