封じ手の局面まで進めるために、一日目の指し手が再現される。門倉四段の読み上げに沿って、一手一手局面が進んでいった。

先に丸山九段が入室、その後渡辺竜王が入室した。

二日目のTwitter解説を担当するのは永瀬拓矢（ながせ・たくや）四段。

「おはようございます。二日目のネット解説をさせて頂きます永瀬拓矢です。宜しくお願いします。封じ手になった局面は非常に難しいです。私は▲４五桂を封じ手と予想します。個人的には先手を持ってみたい局面です」

丸山九段の朝食は和食膳。本人の要望でふぐちりが用意された。

きょうの福島はあいにくの雨。警備員の方の話によると、３時頃は晴れて星空が広がっていたそうだ。

18時９分、図の局面で丸山九段が次の手を封じ、一日目が終了した。一日目の消費時間は▲丸山４時間40分、△渡辺２時間50分。すでに２時間近く差がついている。封じ手について、郷田九段は▲４六角、広瀬七段は▲３五歩と予想。Twitter解説の稲葉五段は、一日目の進行を次のように振り返った。

「本当に難しい戦いでパスするためのパズルを解いてるような不思議な序盤でした。現在は渡辺竜王ペースだと思います。封じ手予想は難しいですが▲２四歩としておきます。当たっているとすれば明日の朝から非常に激しくなると思います」

二日目はあす25日、９時から開始。一日目の指し手再現が行われた後に、封じ手が開封される。

対局室では関係者が丸山九段の到着を待っていた。ほどなくして丸山九段が入室。封じ手の用紙が入った封筒が、島九段を介して渡辺竜王へと渡される。渡辺竜王が２通の封筒に署名し、再び封筒は丸山九段の元へ。最後に丸山九段の手で封筒を立会人の島九段に預け、一日目が終了した。

定刻の18時を過ぎたが、丸山九段は考えつづけている。いつ封じるのだろう、関係者は丸山九段の動きを注視している。

17時、外はすっかり日が落ちて暗くなっている。NHK・BS放送が始まり、郷田九段が本局の序盤を解説中だ。聞き手の山崎さんは将棋を指すことでも知られていて、『将棋世界』の企画で山崎隆之七段と二枚落ちで対局したこともある。控え室では、封じ手までに先手が本格的に攻勢をとるかどうかが話題になっている。「ここで攻めないと、穴熊を完成されてちょっといやな気がします。後手も攻められて怖いところはあるんですけど、渡辺竜王は大丈夫と見ているんでしょうね」と島九段は話す。