カテゴリ「第24期竜王戦挑決第2局」の記事 Feed

2011年8月31日 (水)

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《棋譜コメント46手目より》
明日対局の三浦八段が「では私はそろそろ」と腰を上げようとすると、すかさず木村八段が「ひろゆき簡単には帰さないよ。この手はどうだい」と聞く。そのやりとりが何度か繰り返され、とうとう木村八段は「もう聞くことなくなっちゃった」。と、そこへ△6二金が着手された。まったく検討に出ていなかったため、木村八段は「三浦さん、この手の意味を教えてください」。周囲も「三浦さんじゃなきゃわからないな」と持ち上げ、三浦八段はいまも控え室に残っている。

《棋譜コメント47手目より》
「最後に深浦さんの形勢判断を聞いて帰ります」(三浦八段)
「でも、もう一手見たくないですか?」(深浦九段)
「たしかに。△6二金と工夫したあとだからね」(木村八段)
帰ろうとする三浦八段と、帰したくない人たち。こちらの戦いも白熱している。
19時35分、三浦八段が他検討陣の粘りを押し切って控え室をあとにした。

(吟)

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三浦八段と瀬川四段の検討をにこやかに見つめる木村一基八段。

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奥で検討しているのは上野裕和五段。

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夕食休憩再開後の一手は▲5三飛であった。

(吟)

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図の局面で丸山九段が6分使って、18時10分となり夕食休憩となった。
夕食休憩までの消費時間は▲丸山3時間30分△久保3時間28分。
夕食に丸山九段の注文はうな重(松)・肝吸(ふじもと)天然水500ミリリ
ットル2本、カロリーメイトチョコ味4本入り、生パイナップル、久保二冠の
注文はミニとんかつ定食(みろく庵)。対局再開は19時より。

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久保二冠が注文したものと同じミニとんかつ定食。

将棋会館で行われる対局で食事を撮影する際は、中継記者が
同様の注文をしています。なお丸山九段の「ふじもとのうな重(松)
肝吸」は、なかなかのお値段でしたので、中継記者の注文は見送
られました。

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18時過ぎに控え室を来訪した三浦弘行八段。初手から
棋譜を並べ返す。

(吟)

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久保二冠が当たりになっている銀を引く。先手は▲5一角成と
飛車を取ることになるだろう。あと30分ほどで夕食休憩だが、
徐々に緊迫感が高まってきた。

(吟)

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※画像をクリックすると拡大されます

31分の考慮で取れる2四の銀を取らず▲4三銀不成。▲2四角成は
久保の術中にはまってしまうと見たか。

(吟)

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△3六竜と竜を逃げた局面。▲2四角成で先手が銀得するが
丸山九段の手は動かない。▲2四角成には△5四飛と浮く手が
考えられている。銀損でも先手は歩切れ、久保二冠はこの局面
を想定して本局にぶつけたのだろうか。

《棋譜コメントより》
控え室に戸辺六段来訪。「▲2四角成には△5四飛と浮くのでしょ
うか。以下▲2五銀なら△2六竜として、△8四飛~△7六竜のよう
な筋を狙います。パッと見た感じでは先手が少し良さそうですが……。
後手は銀損ですが、歩を多く持っているのが主張です」
その後、▲2四角成△5四飛▲2五銀には△3九竜で後手良しの声
も出てきた。後手は桂香を拾って△8四飛~△8五香のような狙い筋
がある。
「もしかしたら、銀を取らずに▲5一角成から▲5五角のほうが良い
のかもしれません。その局面は受け方が難しい」と戸辺六段。

(吟)