カテゴリ「第24期竜王戦挑決第1局」の記事 
2011年8月16日 (火)
棋士室(5) ― 21時頃 ―
3階の棋士室でも本局の検討が行われている。
継盤を囲むのは対局を終えた淡路仁茂九段、牧野光則四段や奨励会員たちだ。
久保二冠側(先手)を1人の奨励会員が、丸山九段側(後手)を奨励会員と淡路九段、牧野四段が持っている。
「淡路先生は昔から久保さん側に座りませんね。久保さん側を悲観的に見ることで、勝ったときの喜びが倍増しているのではないかと(棋譜コメントより)」と語るのは控室の畠山七段。
しかし、変化を進めていくと先手良しになってしまうことがあり、「淡路先生、実は久保先生の応援をしてるんとちゃいますか」と突っ込まれて一同が盛り上がる場面も。
ご存知のように、淡路九段は久保の師匠である。
(自身の対局を終えた後に弟子の対局を見届ける淡路九段)
(夜から棋士室を訪れた牧野四段)
(若葉)
丸山のペースか
角を巡る攻防
時刻は20時を回っている。
角を追われ自陣へと退却させた久保だが、▲4七角(図)とさらに一歩引いた。
受け身のように見えるが、遠く9筋をにらんでいる。
控室では当初△7一飛が検討されていたが、以下▲9五歩△7二角▲9四歩△同歩▲6七銀(A図)と進むと次の▲9二歩(香取り)が受けづらい。飛車を引いた手がマイナスになっている。
そこで丸山は△4五歩としたが、検討では▲9五歩△8三角▲6七銀(B図)と角交換を挑まれたときの後手の対応が悩ましいようだ。
だが、まだどちらの形勢が良いかという声は聞こえてこない。
(若葉)
控室
角の打ち合い
図は19時40分頃の局面。
攻める久保、守る丸山、というお互いの持ち味が発揮された戦いになっている。
盤上に角を放った両者。この角が働くかどうかが勝負の分かれ道だ。
(若葉)