カテゴリ「第23期竜王戦七番勝負第6局」の記事 Feed

2010年12月14日 (火)

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封じ手の封筒は2つ用意され、どちらも立会人の
署名が入っている。どちらが封じることになっても
自室にて行うことが事前に確認されている。封じ手
は18時が定刻だが、18時を過ぎても指し手が決ま
らなければ考慮してもよいことになっている。

(吟)

Ryuou2010121464

消費時間は▲羽生3時間27分△渡辺2時間37分。
図の局面まで1時間多く羽生名人が時間を使ってい
る。このまま封じ手に入ると消費時間に2時間以上
差がつくことになる。封じ手に入る可能性を木村八段
に訪ねると「非常に際どいところですが2時間ならば、
仕方がないかなと思います。ただ、方針をはっきり決
めておかないといけませんけど」。

17時15分、「羽生先生4時間使われました」と記録係の
上村三段の声がモニターから聞こえた。

(吟)

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乗鞍、穂高の山々が見える。対局室からも北アルプスが見える。対局者も戦いの合間に窓の
外を眺めて心を癒しているのではないか。ホテルの方に聞くと「今日は特に景色がよい」との
ことであった。

(吟)

Ryuou2010121463

羽生名人が▲4六角と打った局面。先手は角で後手陣を牽制。
角を先に手放すのは勇気がいるが打ったからにはなんらかの
戦果をあげなければならない。後手は角を手持ちにしたまま、
打つぞ・打つぞとプレッシャーをかけることができる。
▲4六角までの消費時間は▲羽生3時間27分△渡辺2時間8分。

「▲4六角は好位置ですが少し早い気もします。▲7五歩から左辺
を狙う意味と、後手の玉頭にプレッシャーをかける狙いがあります。
厳しい狙いが無いと角を先に手放すリスクが大きいですからね。ま
ずは序盤の勝負手といった気がします」(阿久津主税七段)。

(吟)

Ryuou2010121462

渡辺竜王が△4三金引とした局面だが、互いに手待ちが
難しいと見られている。角を持ちあっている局面でスキを
見せれば、打ち込みから角成りといつでも馬を作られる。
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立会人の桐山九段とNHK衛星放送の解説を務める
鈴木八段。

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(吟)

Ryuou2010121458

先手の羽生名人が▲4五歩と仕掛け、渡辺竜王が
△4三金右と上がった局面。先手の2七の飛車の位置
が、やや違和感を覚えるが、このポジションで仕掛けた
方が得と見たのだろう。先手の攻め、後手が受け止めて
カウンターを狙う展開がはっきりした。

チャット解説より
「2七飛型で仕掛けましたが、この飛車の位置のメリットと
デメリットを教えてください」(野月浩貴七段)
「メリットは2六に比べて当たりが弱いです。将来的に4四
角と飛車取りに打たれてからの、8筋からの継ぎ歩攻めが
厳しいです。2七飛型のデメリットは▲3五歩が突きにくい
点です。具体的には▲4五歩△同歩▲3五歩と行くと、△3
六角で馬を作られて失敗します」(阿久津主税七段)
15時10分頃、消費時間は▲羽生2時間44分△渡辺1時間55分。

(吟)

Ryuou2010121450

14時30分頃の局面。先手が飛車の上下運動で、後手は
5二へいる金の繰り替えで千日手模様となっている。千日
手は先手が悔しいと見れば▲4五歩と仕掛けることになる
のだろうが…。先手は互いの陣形を見比べて、もっとも条
件のよい形で仕掛けていきたいところだ。後手とすれば形
を乱さずに先手の仕掛けを待ちたい。

(吟)

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1日目から集まった熱心なファンの方のために木村
八段による解説会が始まった。身振り手振りでサー
ビス精神旺盛な木村調の解説。「形勢ともかくじゃな
いですよ、プロ棋士ならば先手を持ちたいと言う人が
多いと思います。ただ具体的にどうするのか?と聞か
れると難しいと思います」

(吟)