後手優勢 図は渡辺竜王が△5七とと寄った局面。 「手堅く△5七とでしたか。うーん、相当に先手が勝つ理屈が無いですね」(鈴木八段)。 「△5七と(△7七角成▲同玉△6六銀以下の詰めろ)▲6九香△4六角(△7九金以下の詰めろ)ですが、▲8六歩と上部脱出を目指されてしまうかもしれないので、角を5五に置いたまま詰めろを続けたいですね」(野月七段)。 控室の雰囲気はどうやら渡辺竜王防衛の空気が色濃くなってきた。 (吟)
ぐるりと継ぎ盤を取り囲む 「この手(127手目・▲3五歩)は全く検討に出ていません。はい、検討やり直し。もはや天童がどこにあるのかも分かりません」(木村八段) NHK衛星放送出演から戻った鈴木八段も検討へ加わった。 (吟)
18時前の控室 青野照市九段も検討に加わった。 難解な戦いに思わず桐山九段も頭を抱える。第7局の対局地である天童が近づいたり、遠のいたり。 ときおり、覗き込むようにして検討盤を見つめる木村八段。 18時5分、モニターから「羽生先生、残り30分です」の声が聞こえた。 (吟)
△6九銀に▲4五銀 △6九銀に▲4五銀と羽生名人が打った局面。 「▲4五銀△2四金▲4三歩△同金(変化図)で、後手が余しているように見えますが、はっきりとした結論付けはできていません。▲4五銀。直線的では勝てないとみて、局面を混沌とさせる狙いも含んでいます。この手自体は詰めろではありません。」(野月七段)。 (吟)
攻め合い 図は△4七歩成に▲6三成銀と羽生名人が攻め合った局面。 形勢判断は後手が良さそうとの評判であるが、具体的にはまだまだ難しい局面のようだ。 「△4七歩成でした。やはり、と金は大きいですね。自分の形勢判断は、後手を持ちたいから、後手良しに変わってきました」(野月七段)。 (吟)
▲3六飛には 「▲3六飛には△4五銀▲3八飛△4六歩▲5七金(変化図)が一例として考えられます。次に▲6三成銀~▲5一角成が実現すると厳しいです。▲5七金に△7三歩は打ちづらいですね。先手陣はいつの間にかしっかりとした陣形になっています」(野月七段)。 (吟)