カテゴリ「第23期竜王戦七番勝負第2局」の記事
いよいよ大詰め
図は18時40分頃の局面。渡辺竜王が△8九飛成と先手玉に迫る。後手玉も挟撃されていて危険な状況だが、どうやら渡辺竜王が勝ちに近づいているようだ。「これは後手の勝ちの流れに、はっきりなったと思います。△6二銀がしっかりしています。やっとはっきりしてきました」と飯島七段。東京でこの将棋を検討している三浦八段も、「この局面で手を止め、天井をにらみつけています。何か手段は無いか、探しているようです」【ともに棋譜解説チャットより】
18時40分過ぎ、モニタからは「羽生先生、残り15分です」と読む門倉三段の声が聞こえた。
(18時40分頃の控え室。この後ほどなく、継ぎ盤はぱたりと動かなくなった)
(文)
18時15分頃の対局室
18時15分頃の控え室
大盤解説会の合間にも
羽生名人、起死回生の攻めか
図は17時45分頃の局面。渡辺竜王は王手飛車を恐れず、△8四桂と果敢に攻めていく。ここで▲6四角が王手飛車。以下、△4二角▲5三銀△9六桂▲9八玉△9七歩▲同玉△8九飛成▲4二銀成△同飛(A図)。
A図以下(1)▲2三香成は△9九龍▲9八角△8九銀(B図)。
B図、後手玉は▲3二成香△同玉▲3三金△2一玉▲2二歩△1一玉と進むと打ち歩詰め!
△4二同飛(A図)には(2)▲2三金が正しく、これなら▲3二金△同玉▲3三金の詰めろになっている。羽生名人、形勢逆転を引き寄せる攻めとなるか。
【棋譜解説チャット・飯島栄治七段の見解】
「私も控室で検討されている手順、▲6四角△4二角▲5三銀△9六桂と進むと思います」
【東京・将棋会館、三浦弘行八段を中心とした検討】
△8四桂の局面から、▲2三香成△9六桂▲9八玉△9五香▲9七歩△8八香といった変化が並べられている。
(文)
渡辺竜王が勝っているのか、それとも……
千駄ヶ谷の大盤解説会
激しく斬り結ぶ両者
上の図は17時15分頃の局面。飯島七段はこの局面を「形勢判断ですが、私は後手65対先手35あたりになったのかなと思います。かなりわかりやすくなったのではないでしょうか。局面がすっきりした感じです」と、明確に後手よしとの判断を下している。
渡辺竜王はここから△3六銀と飛車を取り、以下▲3四歩△5九飛(下図)と進んだ。上の図から△3三金引と逃げる手も考えられたが、渡辺竜王は退かず、逆に強く踏み込む。羽生名人も金を取りつつ3四の急所に拠点を築けば、渡辺竜王は△5九飛と先手玉に狙いをつける。互いに相手玉の寄せを目指す激しい展開だ。
「なるほど飛車を取って勝ちなんですね。これで勝ちなら簡単です。後手陣が危険かと思ってましたが、渡辺竜王の勝ちの時の踏み込みは鋭いです」(飯島栄治七段)
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