カテゴリ「第23期竜王戦挑決第1局」の記事 Feed

2010年8月16日 (月)

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図の局面で久保二冠が18分考え、昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲久保二冠1時間27分、△羽生名人31分。羽生名人の△4二銀(16手目)は急戦志向の手。これに対し、久保二冠は▲1八香と穴熊を目指した。穴熊は無類の堅さを誇る囲いだが、完成するまで手数がかかるのが難点。羽生名人は△7二金(20手目)と、「棒金」を明示。石田流に相性のよい攻撃形に身構える。久保二冠は自玉を安定させるまで時間がかかるので、その間に羽生名人が先攻する展開になりそうだ。再開は13時より。

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図は10時30分頃の局面。先手番を握った久保二冠は3手目に7筋の位を取り、得意の「石田流」を宣言。これに対し、羽生名人は居飛車で挑んだ。6筋に銀を置き、7筋を守るオーソドックスな構えで対抗する。石田流は非常に攻撃的な戦法。序盤、後手は隙を見せないように気をつけなければならない。この後、どのような展開になるのかは後手の駒組みにより大きく変わってくる。羽生名人の作戦と、久保二冠の対応に注目だ。

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定刻の10時になり、対局開始。久保二冠の初手は▲7六歩。羽生名人は△3四歩と応じた。

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(対局開始の前に一礼)

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(初手を着手する久保二冠)

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(羽生名人。ひと呼吸置いたのち、2手目を着手)

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記録係の伊藤和夫三段が「羽生名人の振り先です」と宣言し、振り駒を行った。「振り先」とは、歩の枚数が多い場合に羽生名人が先手になる、という意味。結果はと金が3枚。久保二冠の先手となった。

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(記録係の伊藤三段による振り駒)

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(と金が3枚。久保二冠の先手となった)

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(羽生名人。振り駒に使われた歩を再び盤上に並べていく)

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9時45分、久保二冠が入室。5分ほどして羽生名人も入室し、両対局者が揃う。ほどなく羽生名人の手で駒箱が開けられた。互いに一枚ずつ、丁寧に駒を並べていく。羽生名人は駒箱を片付けるとき、ちらと窓の外を見やった。

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(駒袋を開ける、羽生善治名人)

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(久保利明二冠)

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(文)

本日、第23期竜王戦挑戦者決定戦がいよいよ開幕する。渡辺明竜王への挑戦権を巡り、羽生善治名人(1組3位)と久保利明二冠(1組4位)が三番勝負を戦う。第1局は千駄ヶ谷「東京・将棋会館」にて、10時より対局開始。第1局の中継は、棋譜とコメント入力を銀杏記者が、本ブログを文が担当する。最後までお楽しみいただければ幸いである。

・竜王戦中継サイト http://live.shogi.or.jp/ryuou/
・棋譜中継 http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/ryuou20100816.html

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(東京・将棋会館)

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(本日の天気予報は晴れのち曇り、最高気温は36度。暑い一日になりそうだ)

(文)

2010年8月14日 (土)

第23期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局が、8月16日(月)に東京・将棋会館で行われます。渡辺竜王への挑戦権を得るのは、羽生善治名人か?または久保利明二冠か?
注目の三番勝負がついに始まります。こちらのブログで、その模様を詳解しますので、ぜひご覧下さい。