カテゴリ「第22期竜王戦七番勝負第2局」の記事 Feed

2009年10月29日 (木)

Ryuou20091028_82 先手の竜対後手の中央の厚みという図式です。△3七歩成が▲3五香を消しつつ△4七との催促を見せて味のいい手です。普通の手は▲2六歩ですが△4七と▲2五歩△4六角▲2四歩△6九銀(参考1図)が△7八銀成▲同玉△7七飛成以下の詰めろで後手勝ちです。この一直線のたたき合いは△5六歩が目一杯好手になった感じがします。

Sanko8 戻りますが、77手目▲2三とが意外な感じを受けました。▲3五香はどうだったのでしょうか?このあたりは感想戦で出るでしょうから対局者のコメントを聞いてみたいところです。
現局面では森内九段の受けが成功しつつあるように思います。ですが、攻めているのが渡辺竜王ですからね。午後開始早々の竜王の攻めに注目です。


(銀杏)

Ryuou20091028_79 55手目1四歩から1筋を中心にした攻防が続いています。55手目▲1四歩から図の79手目▲2四歩までの24手のうち15手が1筋の指し手です。現在、▲2四歩の局面。△同銀に▲1二飛成は妥当なところで、渡辺竜王は飛車の成り込みに成功しました。ただし、図の▲2四歩では▲3五香も有力だったようです。▲2四歩以下は△同銀▲1二飛成に△3七歩成からと金を攻めに使う手順が検討されています。

(銀杏)

高岡は前田利長が高岡城へ入城して高岡の町を開いたときに、町の繁栄を図るために鋳造師を呼び寄せて銅器の鋳造を始めたことがきっかけになり銅器の製造が非常に盛んです。

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(高岡の街中や古城公園などに銅像は多く見られる。写真右の右側は開町400周年記念マスコットキャラクターの「利長くん」)

(銀杏)

71手目▲1八飛での佐藤天五段のコメントですRyuou20091028_71 「65手目は▲1三角成も有力でしたが、▲1一歩成の方を選択しました。本譜の先手の指し方は後手玉が狭いため攻め合いになりづらいです。細いですが、自分だけ攻める展開にしたいということでしょう。この▲1三角成の筋は62手目のような形(△3三銀△2二玉型)で出てくることが多いですが、本局は先に1一に玉が落ちています。これが▲1一歩成と成り捨てた効果で、玉が右辺に逃げていく場合に先手が得する意味がある。ただ、後手も△3四銀と立っているので3三からの脱出ルートが開けています。

Sanko6そういう意味で、現局面ではまず(1)△2二玉が考えられます。以下▲1四歩△2五桂▲1三歩成△3三玉(参考1図)▲2三とが一例。 △同金には▲1二飛成(▲3五歩)、 △同銀には▲3五香で攻めが繋がると見ているのでしょう。

Sanko7 ほかに(2)△2二金もあるかもしれません。1一で頑張って成り捨てを咎める意図です。以下単に▲3五香と打つか、▲1四歩△2五桂▲1三歩成△同歩▲同飛成△1二歩(参考2図)にどこかに竜を引く順が有力です。後手はここで間違えて攻めを繋がれてしまうと劣勢に陥ってしまうので、どういう方針で行くか非常に難しい。受けが駄目なら攻め合いも考えなければいけません。いずれにせよ、ここは長考になりそうです。

(銀杏)