感想戦終了後、藤井聡太新竜王の記者会見が行われました。
(会見に先立ち、対局場のANAクラウンプラザホテル宇部から花束贈呈)
(マスクを取っての記念撮影。記者会見は常時マスク着用で答える)
―竜王を獲得した感想を改めて
藤井 まだ実感が湧かないところがありますが、最高峰のタイトルですので、とても光栄に思っています。
―今年、豊島前竜王と王位、叡王、竜王と3つのタイトルを争い、すべて勝った
藤井 全体を通して対局が多かったので、結果がよかったことはとても幸運に感じています。
―序列1位になり、これからの目標について
藤井 竜王を獲得できて重みを感じますし、それにふさわしい精進をしていければと思っています。これまでと変わりなく、強くなることを目標に据えて取り組んでいければと思います。
―自身の節目となる序列トップの印象は
藤井 それについては意識したことはなかったのですが、身の引き締まる思いです。
―お~いお茶杯王位戦、叡王戦と豊島前竜王との連戦で得られたものがあれば
藤井 豊島さんはこちらが気づいていない好手を指されることが結構多かったので、自分の課題を突きつけられたと同時にとても勉強になったと感じています。
―本日は師匠である杉本昌隆八段の誕生日。気づいていたか
藤井 知らなかったのですが、初めてプレゼントらしいことができたかと思います。
―四冠獲得で一強の声もあるが
藤井 よい結果になっていますが、内容的に課題が多いですし、自分としてはそういう印象はないうえに常に危機感を持ってやっています。
―賞金4,400万円の使い方について
藤井 それはまったく。ゆっくり考えられれば。
―昨年と比べて強くなった実感はあるか、あれば具体的な点は?
藤井 今年は特に序盤について重点的に取り組んでいるので、そのあたりで成長できたかと感じています。
―104手目△8七飛成に対し、豊島前竜王が長考している間に考えたことは?
藤井 飛車を成ったところは自分が勝つのは厳しいと見ていたのですが、自玉が詰むのか詰まないか、そういった希望もあるので、負けを読みきっていたわけではありません。
―分からなかった?
藤井 こちらが負ける変化が多いとは思ったのですが、先手はどの変化がいいのかまでは分かっていませんでした。
―実力が足りないと思う点?
藤井 実力が足りないというのは1局指すごとに感じることで、1局指すごとにまったく分からない局面があるので、そういうところを減らしていかないといけないと感じています。
―藤井竜王にとって将棋とは一言で
藤井 どれだけ考えても分からず、指すごとに新しい発見を与えてくれるものかと思います。
―カメラに向けて一言
藤井 観戦していただいてありがとうございます。終盤、苦しい局面が多かったので、まだ実感が湧かないのですが、今後、竜王としてこれまで以上に精進して、より精度の高い将棋をお見せできるようにしたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。