感想戦終了後、藤井王位・棋聖が記者会見を行いました。
――本局を改めて振り返って。
藤井 序盤からバランスを取るのが難しかったように思います。そのあと激しくなったんですけど、そこで結果的にこちらの玉の遠さが生きる形になったのかなという気がします。
――竜王戦でのタイトル戦は今回が初めてです。
藤井 決勝トーナメントにはこれまでも出ていたんですけど、そこで結果を残せていなかったので、今期は挑戦という結果を出すことができたのはうれしく思いますし、七番勝負も盛り上げられるように精一杯、戦えればと思います。
――今年は豊島竜王とのタイトル戦が続いています。改めて、どのような棋士だと考えておられますか。
藤井 豊島竜王は序盤の研究が深くて、その上で中終盤も的確に急所を捉えられている印象があります。
――七番勝負の抱負は。
藤井 竜王戦は王位戦と同じ持ち時間(各8時間)になりますけど、王位戦では序盤で後れを取ってしまうような展開の将棋が多かったので、その辺りを修正して熱戦にできればと思います。
――竜王戦という棋戦の印象について
藤井 デビュー戦からすごくいい経験をさせていただいている印象があります。将棋界で最高峰のタイトルでもありますし、自分にとっても思い入れのある棋戦です。
――対局直後のコメントで「(豊島将之竜王との)王位戦の反省を生かして」とおっしゃっていました。結果は4勝1敗でしたが、スコアというより内容を重視しての反省ですか。
藤井 はい。内容的に押されていた印象があるので、竜王戦ではそこを修正していかないと厳しいのかなと思っています。
――目標高くといいますか、簡単には満足しないと思われているのでしょうか。
藤井 もちろん防衛できてうれしいという気持ちもあるんですけど、結果と内容は別なので、反省すべきところはしっかりする必要があるのかなと思ってます。
――竜王戦は本局で36局目でした。印象に残った対局は何が浮かびますか。
藤井 デビュー戦の加藤一二三九段は印象深いですし、△7七同飛成や▲4一銀といった話題にしていただいた手も竜王戦の対局だったので、その対局は自分にとっても印象に残っています。
――19歳にして最高峰の舞台に立つことに対しての思いをお聞かせください。
藤井 最高峰の舞台なので、それにふさわしい将棋を指したいという気持ちがあります。また、相手は豊島竜王ということで、またこうして番勝負で戦えるのはうれしいことなので、その機会を生かしていければと思っています。
――年齢については意識されていませんか。
藤井 そのことは意識せずに、自分にとっていいものにできればなという思いと、ファンの方にも楽しんでいただける内容にしていきたい気持ちが強いです。
――竜王戦七番勝負への意気込みをお願いします。
藤井 開幕までにしばらく時間があるので、その間にしっかり準備をして七番勝負を盛り上げていければと思っています。