相居飛車の最新形が予想されましたが、永瀬王座は意表の三間飛車を採用しています。角道を止める三間飛車はデビュー当時の得意戦法で、とにかく丁寧に受ける指し回しが特徴でした。とはいえ、近年は居飛車党で最新形を指しこなし、特に主導権の握りやすい先手番で振り飛車を用いたので、練りに練った作戦といえそうです。
これまでの対戦成績は永瀬1勝、藤井4勝。相居飛車は藤井王位・棋聖が全勝ながら、昨年の第70期王挑戦挑戦者決定リーグは永瀬王座が後手で角道を止める四間飛車で勝っています。
▲5八金左は11時前の局面です。振り飛車のトレンドは3八玉型からの地下鉄飛車や2九玉型のトーチカで、永瀬王座の新鋭のときはなかった作戦です。
(永瀬王座の三間飛車。控室では驚きの声が上がった)