終局直後にインタビューが行われました。
――本局、終盤まで難しい競り合いが続いたと思うんですけど、一局を振り返っていただいていかがですか
藤井 こちらが△4一玉(48手目)から瞬間の堅さを生かして攻めていければと思ったんですけど、ただ、そのあと先手玉の広さを生かされる展開になってしまって、中盤は自信のない展開が長く続いたように思います。
――どのあたりから形勢が自分の側にきたと感じられましたか
藤井 ちょっと分からなかったですけど、△5二歩(70手目)と受けた局面でそれ以上攻めがなければ、難しいのかなと思いました。
――この勝利でベスト4に勝ち進みました。この後の抱負をお願いします。
藤井 竜王戦でベスト4に進んだのは初めてで、次は非常に大きな一局になりますけれども、いい状態で臨めるようにしたいと思います。
――中盤のあたり、形勢はどう見られていましたか
山崎 難しいけどちょっと苦しいように思っていて、どこで勝負を懸けようか、非常に難しいなと思っていました。
――67手目の▲5三歩成のあたりはいかがですか
山崎 終盤はちゃんとやれば勝ちがあるかなと思ったんですけど、私の力では分からなかったですね。時間も切迫していましたので。
――全体の流れとしてはどこで悪くしたと思われましたか
山崎 ▲2六角(65手目)が利くかどうかで時間を使いすぎてしまって、次の△7二金を軽視していて、それなら▲2六角は早く打っておくべきだったなと。そのあと間違えて逆転になったと思います。少し苦しいと思えば精神的に開き直れ、少し盛り返してチャンスはきたように思うんですけど、▲5三同角成(79手目)あたりがよくなかったのかもしれないです。あそこはもう負けなのかもしれないですけど、その前にもうちょっとよくなる順があったかと。▲5四歩(73手目)から▲5三歩成が思ったより厳しくなく、▲2二歩(77手目)をもっと早めに打っておくべきだったかもしれず、チャンスを生かしきれなかったですね。
(書き起こし:潤記者)