戦型は矢倉模様で、後手が最新の急戦策を採用しています。▲4六銀に△7二飛が昨年から注目されている指し方です。
一見、飛車が攻めに使いにくいようですが、△7五歩▲同歩に△6五桂、また△8五桂と攻める含みがあります。△8五桂に▲6六銀なら△6五歩、▲8八銀なら△7五飛で勢いが増します。
三枚堂七段が実戦で迎えるのは初めて、八代七段は今年5月の第93期ヒューリック杯棋聖戦一次予選▲八代弥七段-△遠山雄亮六段戦で経験があります。その将棋は▲5六歩に△4四歩▲3五歩△7五歩▲同歩△4五歩▲3七銀△3五歩▲同角△7六歩▲8八銀△6五桂▲6六歩△同角▲6七金と進み、結果は先手勝ちです。
本局は▲8八銀まで前例を踏襲しましたが、三枚堂七段はそこで△5二金と手を変えました。
攻めずに玉形に手を入れ、△6五桂から△7五飛に期待しています。先手は角のにらみが主張で、▲4四桂と打てるため△6五桂に受けに回る楽しみがあります。