【対局者決意表明】 挑戦者・羽生 善治九段
「万松寺では最近、数多くの対局やイベントを開催していて、将棋界を盛り上げるために本当にありがたい存在だと思っております。先ほど第1期竜王戦の第1局が名古屋で行われたという話があって、30年以上前のことですが、『そういうこともあったなあ』と。それに気がついたときに自分も棋士を長くやってきたなと実感いたしました。ただ、将棋の世界は過去のことより、これから先どうやっていくかが一番大事だと思っていますので、明日からの対局も、自分がいま持っているものを出し切って、将棋ファンの皆さまに面白いと思ってもらえるような将棋を指せるよう、一生懸命やっていきたいと思っております。短い期間ではありますが、関係者の皆さまには大変お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします」
豊島 将之竜王
「本日は、多くの方に前夜祭にお越しいただき、ありがとうございます。対局場の万松寺は、近年、将棋に力を入れてくださっていて、私も今年の7月に対局させていただきました(第5期叡王戦七番勝負第3、4局)。そのときが持将棋という結果で、非常に長い対局になったので、うんざりされていないかなと少し心配していましたが、今日は本当に温かく迎えてくださり、先ほどご祈祷もしていただきました。竜王戦は第1局を戦って世間からの注目の高さを感じています。自分の力を出し切って、明日からの対局がよい内容になるように頑張りたいと思っています。明日から2日間よろしくお願いいたします」
【乾杯】 小池 利和・ブラザー工業株式会社 代表取締役会長
「豊島竜王とは愛知県一宮市出身で一緒でして、決して羽生先生を応援しないわけではございませんが、伯仲した将棋を期待しております。コロナ禍の中、皆さま本当にタイトなスケジュールで将棋を指しておられ、棋士の方たちも大変だなと思いながら、最近はインターネットで将棋を見ながら毎日を楽しく過ごしています。今日、この会場にお越しの方々も大の将棋ファンだと思いますし、愛知県出身の棋士も強いですから、これからさらに日本の将棋が発展していくことをと期待しております」
このあとは対局者が退場してから食事・歓談の時間となり、感染防止のため報道陣も会場から退出しました。
(書き起こし=夏芽)