2019年11月21日 (木)

2日目の展望など

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封じ手は▲9五同歩が予想されます。現地を訪れている棋士に封じ手以降の2日目の展望などを聞きました。

立会人の屋敷九段「ゆったりした進行で、見たことのない局面です。手探りで指している印象を受けます。封じ手以降で本格的な中盤になるでしょう。名人の攻めに竜王が受け止めるか反撃するかという展開。中盤が濃い内容の将棋になりそうです」


立会人の横山七段「▲9五同歩に△9七歩は豊島名人の棋風ではない気がします。もっとバリバリと攻めるイメージがあります。ただ、一方的に攻めるのはなく、攻めたり受けたりという複雑な進行が予想され、矢倉戦らしい将棋になりそうです」

常務理事の鈴木九段「▲9五同歩に△8五桂を予想します。以下▲6五歩△同銀▲8四角には△9八歩▲同香△9七歩とすれば、跳ねた桂はただで取られません。△8五桂に戦場から遠ざかる▲6八玉が有力だと思います。そこで△2二玉と後手も手を渡してどうか。玉の移動は互いに価値の高い手です。先手は玉をさらに4八まで移したいですが、▲5九玉と指すとその瞬間に攻められそうです。先手は▲6五歩と銀取りに突く手が切り札です」

大盤解説の戸辺七段「▲9五同歩に△7五歩▲同歩△8五桂。そこで▲6五歩と反発するのはどうでしょうか。大盤解説会で示した手順です。しばらくは先手が受ける展開になりそうです。広瀬竜王は先攻するのではなく、長く戦えて、懐深い将棋を目指している感じがします。豊島名人はシャープな攻めが得意です。そうした棋風も考えているのかと思います」

大盤解説聞き手の山田久女流四段「矢倉戦になって、先手は令和、後手は昭和の駒組みでの戦いという印象です。矢倉は前夜祭でも予想したので当たってうれしいですね。これまでの3局は、角換わりや相掛かりで早めに動きがありました。今回はゆったりとしていて、大盤解説会では棋士のエピソードなどを話しました。楽しんでいただけたかと思います」

記録係の渡辺和四段「▲9五同歩に△9七歩でしょうか。△9七歩は入るなら指してみたいです。あるいは、△7五歩▲同歩△9七歩という手順もありそうです。どういう順番で攻めるか難しいです。先手は▲2九飛のところで仕掛けるのも考えられましたが、本譜は穏やかです。先手が好形に組んで、後手の△7二飛は辛抱した印象を受けました」