封じ手側が決まる18時まで、残り30分を切りました。1日目午後の流れを振り返ります。
広瀬八段は桂跳ねから勢いよく攻め続けます。△3五同歩に2筋を突き捨て、1筋で香を捨ててから飛車を2四に走りました。
先手が駒損ですが、△2三歩に▲1四飛と回れば、後手は香を守るために△1三香と打つしかありません。実戦は▲1四飛に△6六角▲同歩△1三香▲3四飛です。
先手の主張は、飛車の軽さと後手陣の乱れ。後手が攻めに使いたかった香を1筋に使わせたので、香損はそこまで大きくありません。
先手の動きをどう止めるか。羽生竜王は▲3四飛に△1六角▲3五飛△3三歩と応じました。
△1六角と狭いところに角を打つのは指しにくいようですが、歩を取らせて△3三歩と守れば、3三の地点が堅くなって▲3三歩が打ちにくくなっています。また、1六の角は△2七角成から△2六馬と飛車取りで使えば、守りに働きます。
17時30分、△1七香成まで進んでいます。先手は7筋に手をつけて戦線拡大し、後手は馬と成香を協力させて先手の飛車をいじめる方針です。▲7三歩成や▲3七金は先手になるので指したい手ですが、封じ手にして後の展開を一晩じっくり考えるのも有力。このまま広瀬八段が封じるかもしれません。