両対局者が退室すると、島九段と阿久津八段が第1局の見どころを解説しました。
島 トッププレイヤーでは先手番の勝率が高くて、この前の王位戦七番勝負は先手の7勝0敗でした。
阿久津 全体の勝率は先手番のほうが高いイメージがありますし、竜王戦は2日制で持ち時間が長くて一度リードを奪うと逆転されにくいことを考えると、先手番が非常に大きいと思います。
島 羽生さんがすごいなと思うのは、先手有利という時代に振り駒がめちゃくちゃ強かったんですよ。先手がそれほどでもないという時代になると、羽生さんの振り駒も強くならなくなったんですよ。どこまでもすごいですよね。
阿久津 勝負強いということは、明日も先手番なんですかね(笑)
島 広瀬さんが正統派の居飛車党に転向したので、以前の居飛車対振り飛車ではなくて、最先端の居飛車のぶつかり合いということになりますと、研究の精度に加えて、羽生さんの経験、そして広瀬さんの充実、甲乙つけがたいです。阿久津八段、最先端の解説をお願いしますね。
阿久津 最近は角換わりしか見ないので、振り駒に関係なく角換わりになるんじゃないかなと。それで淡々と4八金・2九飛型になって、そこからどういう工夫を出すかという展開になる予感がします。
島 竜王戦の初期のころは1日目はほとんど指し手が進まなかったのですが、渡辺さんが竜王戦に出るようになってから進行が速くなりました。1日目から戦ってくれますかね。
阿久津 実戦例が少ない将棋ならじっくり進むと思うのですが、角換わりのようなテーマ図がある将棋だと速いと思います。
(前夜祭を締めくくったのは、森内俊之・日本将棋連盟専務理事)
竜王戦プレミアムをはじめとして、大盤解説会、動画中継などもありますので、それぞれの方に合った形でお楽しみいただければと思います。竜王戦の明日からの成功を祈念いたしまして、私からのあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
(書き起こし・紋蛇)
以上で本日の中継ブログの更新は終了いたします。明日からの第1局をどうぞお楽しみに。