2018年10月の記事

2018年10月10日 (水)

両対局者が退室すると、島九段と阿久津八段が第1局の見どころを解説しました。

Dsc_0194

島 トッププレイヤーでは先手番の勝率が高くて、この前の王位戦七番勝負は先手の7勝0敗でした。

阿久津 全体の勝率は先手番のほうが高いイメージがありますし、竜王戦は2日制で持ち時間が長くて一度リードを奪うと逆転されにくいことを考えると、先手番が非常に大きいと思います。

島 羽生さんがすごいなと思うのは、先手有利という時代に振り駒がめちゃくちゃ強かったんですよ。先手がそれほどでもないという時代になると、羽生さんの振り駒も強くならなくなったんですよ。どこまでもすごいですよね。

阿久津 勝負強いということは、明日も先手番なんですかね(笑)

Dsc_0197

島 広瀬さんが正統派の居飛車党に転向したので、以前の居飛車対振り飛車ではなくて、最先端の居飛車のぶつかり合いということになりますと、研究の精度に加えて、羽生さんの経験、そして広瀬さんの充実、甲乙つけがたいです。阿久津八段、最先端の解説をお願いしますね。

阿久津 最近は角換わりしか見ないので、振り駒に関係なく角換わりになるんじゃないかなと。それで淡々と4八金・2九飛型になって、そこからどういう工夫を出すかという展開になる予感がします。

島 竜王戦の初期のころは1日目はほとんど指し手が進まなかったのですが、渡辺さんが竜王戦に出るようになってから進行が速くなりました。1日目から戦ってくれますかね。

阿久津 実戦例が少ない将棋ならじっくり進むと思うのですが、角換わりのようなテーマ図がある将棋だと速いと思います。

Dsc_0228(前夜祭を締めくくったのは、森内俊之・日本将棋連盟専務理事)

竜王戦プレミアムをはじめとして、大盤解説会、動画中継などもありますので、それぞれの方に合った形でお楽しみいただければと思います。竜王戦の明日からの成功を祈念いたしまして、私からのあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

(書き起こし・紋蛇)

以上で本日の中継ブログの更新は終了いたします。明日からの第1局をどうぞお楽しみに。

花束を受け取った両対局者は、第1局に向けて決意を語りました。

Dsc_0164(まずはがっちりと握手で記念撮影に応じる)

Dsc_0178(羽生竜王)

セルリアンタワーに来て検分をし、前夜祭に出席しまして、明日から七番勝負が始まるんだと実感しています。始まる前は緊張感と不安と様々な気持ちがあるんですけど、本当に能舞台という伝統的で格式のある舞台を用意していただきまして、それにふさわしい将棋を指せたらよいなと思います。
今回のシリーズは全国各地を転戦し、由緒ある名所、名跡で対局することが決まっています。こういった舞台を用意してくださった皆様に感謝を申し上げたいと思います。私自身は一生懸命頑張って、みなさまに喜んでもらえるような将棋を指せるように力一杯尽くしていきたいと思います。

Dsc_0171

(広瀬八段)

挑戦者になりました、広瀬章人です。私自身、タイトル戦の舞台が3年ぶりになりますが、多くの方と前夜祭を楽しみ、先ほどの検分に対局者としていることを思い出して、タイトル戦の挑戦者になったんだということをひしひしと感じております。対局場所は昨年に引き続いて能楽堂ということで、何ともいえない厳かな雰囲気を感じました。昨年に続いて公開対局ということで、私には初めてのことが多いのですが、その分だけ身を引き締めてよい将棋が指せればと思っています。
七番勝負はとても注目される舞台ということを重々、承知しているのですが、まずは私自身が力を出し切って、素晴らしいシリーズになるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(書き起こし・紋蛇)

Dsc_0128(ステージに登壇。左から羽生竜王、広瀬八段、島九段、阿久津八段、高見叡王、高橋二段)

Dsc_0139(竜王アカデミー受講生代表から花束が贈呈されました)

Dsc_0147(花束を手に記念撮影)

 

会場には多くの棋士が姿を見せていました。

Dsc_0125(森下卓・日本将棋連盟常務理事)

Dsc_0103(東京・将棋会館での対局を終えて姿を見せた千田翔太六段と貞升南女流初段)

Dsc_0115(10月12日(金)13時30分から「渋谷ヒカリエ・ホールB」で解説を務める高見叡王)

Dsc_0078(歓迎のメッセージは長谷部健・渋谷区長)

渋谷は若いカルチャーで目立っている街ですが、将棋会館がある千駄ヶ谷や甲州街道も渋谷区であり、色んな街があります。
渋谷区は、「違いを力に変える街」をテーマに前に進んでいます。ユースカルチャーがある街で、伝統ある将棋が渋谷で混じり合いながら、新しい価値、文化を発信していただきたいですし、渋谷区としてその背中をしっかり押していきたいと思います。

Dsc_0083(特別協賛社祝辞は池田肇・野村證券株式会社常務)

竜王戦の特別協賛についてから、日経平均が上がっておりまして、大変なご縁を感じております。
過去を学び、将来を見通す。棋士が将棋に向き合う姿勢は、我々のマーケットに対する姿勢に相通じるものがあります。また、AIの活用など新しいものに取り組みもそうです。棋士の方々と同様に、時代に合わせて変革を挑戦をしなければならないと実感しています。

Dsc_0089(乾杯の発声は巴政雄・東京急行電鉄株式会社代表取締役副社長)

昨年の第1局を見ていただいたお客さまから、「セルリアンタワー能楽堂で駒音を聞くと、よい響きがする」「能楽堂に将棋は合う」といったご意見を読売新聞様の記事から拝見しました。文化として能楽堂と将棋の相性はよく、「セルリアンタワー能楽堂」の知名度が広がって、私どももうれしく思っています。

(書き起こし・紋蛇)

18時から「セルリアンタワー東急ホテル ボールルーム」で第1局の前夜祭が開催されました。

Dsc_0047

Dsc_0053(ステージに登壇した両対局者)

Dsc_0059(柴田岳・読売新聞東京本社 取締役編集局長が主催者あいさつ)

将棋界の最高の棋戦を創設して、31回目の七番勝負を迎えることができました。これもひとえに皆さまのおかげです。羽生竜王は平成元年に初タイトルの竜王を獲得し、平成の最後の竜王戦にタイトル100期が懸かります。広瀬八段は竜王位に初挑戦ながら、実力、実績、好調さを見るにつけ、羽生竜王の偉業を簡単に許すとは思えません。手に汗を握る熱戦を期待しています。

Dsc_0071(佐藤康光・日本将棋連盟会長)

歴史的なシリーズから早くも1年が経ちました。昨年は羽生竜王が永世竜王の資格を得て、永世七冠を達成し、国民栄誉賞を受賞。将棋界にとって、話題に満ちたシリーズでした。
能楽堂という将棋の対局を行うのにふさわしい場所をご提供いただき、今期もすばらしい対局を見せていただけると思います。

(書き起こし・紋蛇)

 

17時30分すぎ、対局検分が開始されました。

Dsc_0014 (羽生竜王が駒袋を開ける)

Dsc_0020(駒の感触を確かめる羽生竜王)

Dsc_0028(挑戦者の広瀬八段)

Dsc_0042(対局検分は5分ほどで終了した)

第31期竜王戦(主催:読売新聞社、特別協賛:野村ホールディングス株式会社、協賛:東急グループ、(株)明治のヨーグルトドリンク[R-1])はいよいよ七番勝負が開幕する。羽生善治竜王に挑むのは広瀬章人八段。
注目の開幕局は10月11、12日(木、金)東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で行われます。
持ち時間は各8時間。先後は振り駒で決められます。
立会人は島朗九段、立会人・新聞解説は阿久津主税八段、記録係は高橋佑二郎二段(加瀬純一七段門下)が務めます。
10月12日(金)13時30分からの「渋谷ヒカリエ・ホールB」での解説者は高見泰地叡王、聞き手は飯野愛女流初段が担当します。


中継は棋譜コメント入力が紋蛇、ブログを吟が担当します。どうぞよろしくお願いいたします。

Dsc_0006

【読売新聞(YOMIURI ONLINE)】
http://www.yomiuri.co.jp/

【野村證券】
http://www.nomura.co.jp/

【東急グループ】
https://tokyugroup.jp/

【株式会社 明治】
https://www.meiji.co.jp/

【セルリアンタワー能楽堂】
http://www.ceruleantower-noh.com/