対局者のあいさつです。渡辺竜王、羽生棋聖の順に行いました。このあと、両対局者は明日に備えて会場をあとにしました。
(渡辺明竜王)
「皆さまおばんでございます。こちらで対局をさせていただくのは2013年の王将戦以来です。街の景色はいくらか建物が増えたかなという印象なのですが、こちらに来るまでの景色を見ると、まだ復興には時間がかかるのかなと感じました。私は2015年に震災復興のイベントでこちらに来たのですが、そのような支援を続けていかなくてはいけないとあらためて感じました。今期竜王戦は先週開幕しました。明日からは第2局、野球の日本シリーズも始まりますが、野球ではよく第2戦が大事といわれます。私は第1戦を負けているのですが、第2戦こそが大事という意気込みで明日から頑張りたいと思います。前回の王将戦では負けてしまい、今日の下見で嫌な記憶を思い出したのですが、連敗して大船渡から足が遠のいてしまうことがないよう、頑張りたいと思います。明日からの第2局、「さすが竜王戦だな」と地元の皆さまにうななっていただけるような将棋を指したいと思います」
(羽生棋聖)
「あらためましてこんばんは。岩手県は10回以上いろいろな形で訪れているのですが、大船渡に来るのは初めてです。いろいろな場所に行ってみて、岩手県はすごい広い場所なんだなとつくづく実感しました。地図を見るだけでなく、実際その場所に行ってみることが大切なんだなと感じています。先ほどリアスホールで対局場の検分をしました。非常に落ち着いた雰囲気の場所で、2日間じっくり集中して将棋が指せる環境だなと思っています。将棋のいいところは、小さなお子さまから年配の方まで、ひとつの盤で楽しめるのが魅力のひとつと思っています。一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします」
(書き起こし=文、写真=紋蛇)