2016年6月の記事

2016年6月27日 (月)

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黒沢五段が仕掛けました。桂を利用して飛車交換を挑む、積極的な踏み込み。後手の角の利きが直通しているだけに大胆不敵です。

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青嶋五段は飛車交換から自陣飛車を打ち、跳ねてきた桂を目標にしました。△8四歩(46手目)で桂が助かりませんが、▲7三桂成△同桂▲7一飛が手筋の切り返し。先手は駒損ですが、自分だけ飛車を敵陣で使えていることが主張です。

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15時過ぎ、青嶋五段は△3五歩(54手目)と指しました。角の利きを止めて端攻めを緩和しながら、美濃囲いの弱点、玉のコビンを狙っています。後手の主張は玉の遠さと駒得。先手は竜の力で対抗しています。

東京・将棋会館の1階には販売コーナーがあり、盤、駒、扇子、書籍、グッズが置かれています。渡辺明竜王の「一歩千金」扇子は入荷待ちでした。グッズでは、黒沢五段と青嶋五段のイラストが入ったハンドタオルがありました。
将棋会館の隣にある鳩森八幡神社は、新年に境内の将棋堂で祈願祭が行われる神社として知られます。足を運ぶと、6月30日に行われる夏越の祓に向けて、境内に茅の輪が立てられていました。茅の輪をくぐることで、無病息災を祈願します。

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第1期から第28期までの5組優勝者と6組優勝者の戦績をまとめました(対局者の肩書は当時のもの)。下表で勝者側を赤色で示しました。互いに14勝ずつと拮抗しています。なお、両組含めての最高成績は、第7期の行方尚史四段による挑戦者決定三番勝負進出。これまで5組と6組から挑戦者は出ていません。決勝トーナメントで勝つ大変さを示すデータといえます。

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12時、図の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲黒沢1時間2分、△青嶋39分。昼食注文は、青嶋五段が親子丼(ほそ島や)、黒沢五段の注文はありませんでした。対局は12時40分に再開されます。
本局には、桂山師作、金龍書の盛上駒が使われています。

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戦型は黒沢五段の角道オープン型四間飛車。▲2二角成と角交換して▲8八飛と向かい飛車に振り直したため、先手の2手損になりました。

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先手が向かい飛車にしたところで、青嶋五段が△3三角と自陣角を放ちました。黒沢五段は▲7七角と角を打って受けて、再び互いの角が盤上に現れています。

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先手は美濃囲い、後手は穴熊に組んでいます。先手は角道が通っていること、後手は2手得がそれぞれ主張。先手がどのように戦いを起こすかが序盤の焦点となりそうです。

6月25・26日(土・日)に第29回アマチュア竜王戦全国大会が行われ、渡辺誠さんが初優勝。当日は渡辺明竜王が審判長として対局の様子を見守りました。上位入賞者は来期竜王戦の出場権を得ます。

【第29回アマチュア竜王戦【開催速報】 | イベント|お知らせ・イベント情報:日本将棋連盟】
http://www.shogi.or.jp/topics/event/2016/06/29_10.html

黒沢怜生(くろさわ れお)五段は今期が2期目の竜王戦参加。前期は6組昇級者決定戦を勝ち進んで3位になり、5組に昇級しました。今期は5組ランキング戦で神谷広志八段、伊藤真吾五段、渡辺大夢四段、村田顕弘五段、先崎学九段を破って優勝。初の決勝トーナメント進出と4組昇級を決めました。振り飛車を得意にしています。

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本局の観戦記は木屋太二さんが担当します。今日の読売新聞朝刊には、5組ランキング戦決勝の先崎学九段-黒沢怜生五段戦が掲載中。こちらの執筆は相崎修司さんです。

竜王戦は読売新聞社が主催する棋戦。1988年、十段戦を発展的に解消して設立されました。優勝賞金は棋界最高の4200万円。十段戦の前身となる九段戦を含めると1950年から続いており、長い歴史を持ちます。全棋士と女流棋士4名、アマチュア5名が6組に分かれてトーナメント戦を行い、上位計11名による決勝トーナメントで挑戦者を決めます。七番勝負の勝者が竜王のタイトルを獲得。現在のタイトル保持者は渡辺明竜王です。

【ニュース速報:読売新聞(YOMIURI ONLINE)】
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