現地大盤解説は真田七段と香川女流三段にバトンタッチ。 真田七段はポイントとなる手を初手から解説していました。
【6手目△9四歩】この将棋の骨格を作った第一の手。
【7手目▲5六歩】プロの前例にはない手だが考え方はシンプル。△9四歩を緩手にしたい。そのために端歩から玉を遠ざけたい。遠ざけるためには振り飛車(中飛車)がいい、と。△9四歩をとがめにいっている。
【13手目▲6八銀】手広く構える一手。いちばんいいタイミングで飛車を動かそうとしている。
【14手目△7四歩】骨格を作った第二の手。△4一玉、△4二銀、△6四歩など、普通の手もいくつかあったが、△7四歩はリードを奪いにいっている。
【17手目▲5六銀】▲6六銀では重い形で、△6四銀~△7三桂~△6五銀も防げていなかった。ただし、本譜も後手の7筋攻めは残っている。
【19手目▲5八飛】△7五歩▲同歩△同銀に▲5四歩△同歩▲4五銀のような反発を見せた。
【20手目△4一玉】△5四歩▲同歩△4五銀から△5四飛が王手にならない。これで後手は7筋攻め(△7五歩▲同歩△同銀)が権利になった。
【22手目△4二銀】終盤戦に入る変化も見えるなかで冷静な手。ただ、後手は△6五銀や△7五歩、先手は▲5四歩や▲3四銀がある。どのタイミングで開戦するのか分からない。一触即発。