図は45手目▲1八香の局面。森内竜王が長考しています。佐藤康九段に角換わり腰掛け銀について聞きました。
「最近の角換わりは、手の待ち方が難しいです。飛車や金だけでなく、香の位置の組み合わせなのですが、それがどれといいのか、整理し切れていないのが現状です。そこが棋士にとっては面白いところなのですが、パッと見では何がなんなのか違いがわかりにくいですよね。
香を上がる手待ちは▲1八香、▲9八香、△1二香、△9二香、△9三香と5種類もあります。上がらないシンプルな形もあるので香だけでかなり選択肢はあり ます。玉側の香を上がると穴熊にできますが、9八香に△9七歩とたたかれて損するかもしれません。そういう細かさがあります。玉側の香上がりはマイナスイメージがあったのですが、プラスもあるとわかってきました。やはり穴熊にすれば1路遠くなりますから。
後手は一番いいときに△6五歩▲同歩△7三桂と攻められればベスト。飛車が4八にいるときが理想的です。というのは、先手が4筋を攻めているので2二玉は直撃にならないのです」
2014年10月17日 (金)