矢倉模様の立ち上がりから、10手目△5三銀(図)。積極的に動く意志を秘めた銀上がりで、早くも山崎八段の棋風が出る展開になった。通算では9局指して6勝3敗と高勝率をあげている形だ。だが今期は1組ランキング戦で佐藤天彦七段に試みるも敗れ、その後のNHK杯戦でも再び敗北を喫した。残る1つの負けは、山崎八段が初めてこの形を指した▲郷田真隆棋聖-△山崎隆之五段戦(2001年9月、棋王戦、肩書き・段位は当時のもの)でのものだ。
実戦はここから▲5八金右△8五歩▲7七銀△5五歩▲5七銀△5二飛▲7九角(下図)と進んだ。
後手は飛車を5筋に転回して中央制圧の姿勢を見せている。先手はひとまず後手の動きを受け止めて、態勢を整える時間を作りたいところだ。
矢倉の序盤は先手が早々に角道を止めるため、瞬間的な大駒の働きは後手に分がある。急戦矢倉と呼ばれる速攻作戦は、この構図があるために生まれたものだ。
実戦はここから▲5八金右△8五歩▲7七銀△5五歩▲5七銀△5二飛▲7九角(下図)と進んだ。
後手は飛車を5筋に転回して中央制圧の姿勢を見せている。先手はひとまず後手の動きを受け止めて、態勢を整える時間を作りたいところだ。
矢倉の序盤は先手が早々に角道を止めるため、瞬間的な大駒の働きは後手に分がある。急戦矢倉と呼ばれる速攻作戦は、この構図があるために生まれたものだ。