難解で激しい攻防が続いている中、三浦八段の▲8八角(71手目)を見て堀口七段が「これは凄い。これがA級棋士の手か…」と驚きの声をあげた。
先手は、角の利きをいかして▲2五歩△3四金▲3五歩といった攻めを狙うと思われていたが、7七角型のままでは△7五銀や後手が香を入手した時の△7六香が中々に厳しい。
三浦八段は、これでは激しい戦いに持ちこみにくいと判断したのだろう。
激しい攻防の真っ最中においては、派手な狙いや手に目が行きがちだが、三浦八段は残り時間が少なくなってきている中でも冷静を保っていた。
無理に攻めを急がず、自陣の隙をなくす▲8八角。
A級棋士の間合い、勝負術には感服するばかりだ。