2011年11月24日の記事

2011年11月24日 (木)

20111124_6818時9分、図の局面で丸山九段が次の手を封じ、一日目が終了した。一日目の消費時間は▲丸山4時間40分、△渡辺2時間50分。すでに2時間近く差がついている。封じ手について、郷田九段は▲4六角、広瀬七段は▲3五歩と予想。Twitter解説の稲葉五段は、一日目の進行を次のように振り返った。

「本当に難しい戦いでパスするためのパズルを解いてるような不思議な序盤でした。現在は渡辺竜王ペースだと思います。封じ手予想は難しいですが▲2四歩としておきます。当たっているとすれば明日の朝から非常に激しくなると思います」

二日目はあす25日、9時から開始。一日目の指し手再現が行われた後に、封じ手が開封される。

220

対局室では関係者が丸山九段の到着を待っていた。ほどなくして丸山九段が入室。封じ手の用紙が入った封筒が、島九段を介して渡辺竜王へと渡される。渡辺竜王が2通の封筒に署名し、再び封筒は丸山九段の元へ。最後に丸山九段の手で封筒を立会人の島九段に預け、一日目が終了した。

195

199

201

202

207

214

17時、外はすっかり日が落ちて暗くなっている。NHK・BS放送が始まり、郷田九段が本局の序盤を解説中だ。聞き手の山崎さんは将棋を指すことでも知られていて、『将棋世界』の企画で山崎隆之七段と二枚落ちで対局したこともある。控え室では、封じ手までに先手が本格的に攻勢をとるかどうかが話題になっている。「ここで攻めないと、穴熊を完成されてちょっといやな気がします。後手も攻められて怖いところはあるんですけど、渡辺竜王は大丈夫と見ているんでしょうね」と島九段は話す。

191

188

192

控え室に差し入れられたりんご。これは午前中に郷田九段、山崎さんらが果樹園のりんご狩りで手に入れたものだ。島九段は「止まらないですね」と笑顔でフォークを口に運んでいた。

186

187

丸山九段は、仕掛けた後に1手間合いを計る手を指した。島九段も広瀬七段もすぐに真意を汲み取れず、首をひねっている。「開戦したように見えて戦いは始まっていない気がします。進んだようで進んでいない。また膠着状態に入りました」と島九段。局面は再び霧に包まれてしまったようだ。継ぎ盤の近くから「全然わからない」とぼやきが聞こえる。

175

20111124_59長い間にらみ合いが続いていたが、16時頃、ついに駒がぶつかった。「やっとほぐれましたね」と控え室で声が弾む。図から△4三金直▲4四歩△同金まですぐに進み、そこで丸山九段が手を止めた。先に攻めたのは先手。しばらくは先手の攻めに後手がどう対応するかが焦点になりそうだ。

午前中は晴れていたが、午後になって曇り始め、冷たい雨がぽつぽつと降り続いている。外に出ると、吐く息が白い。道路のわきに目をやると、大小さまざまな果樹園にりんごや柿がなっている。摺上川を越えて10分ほど歩き、天王寺に着いた。

163

166

167

173

170

172