【杉本昌隆七段の総評】
「両者とも力の入った大熱戦でした。封じ手直前の丸山九段の▲1五歩から▲3五歩は新手筋で、結果的には成功してないようでも、途中はむしろ先手ペースかと思いました。
また、渡辺竜王の手で印象に残ったのは、何といっても86手目の△4三金、そして88手目の△8九竜です。柔軟さと鋭さの見事なコンビネーションで、本局の勝利を決定づける2手と言えるでしょう。
このように隙のない渡辺竜王ですが、本局では丸山九段も終盤の▲5五銀など、持ち味のしぶとさを発揮していました。一番勝てば流れも変わります。
第3局ではさらなる熱戦を期待します。個人的には、丸山九段の切り札、後手番横歩取りがどこで出てくるかに注目しています。ご覧になっていただいた皆様も本日はありがとうございました」
本局の模様を最初から時系列でご覧になりたい方は「第24期竜王戦七番勝負第2局」(10月24日14時56分投稿)から順にご覧ください。