17時40分頃、控え室を高野秀行五段が訪れた。「下の道場にモニタがあって今の盤面はわかるんだけど、昼食休憩からどう進んだのか全然わからなくて」と、パソコンで手順を確認。「これは△2四歩突くよねえ。突いたらどうするんだろ?」と考えているところへ、モニタに△2四歩を着手する羽生の手が映る。「やっぱり突きますよねえ。で……うーん。やっぱり居飛車がいいですよねえ」。
ひと通り継ぎ盤で検討した後、高野五段が口を開く。「そういえばさっき羽生さんがコーヒーを買いに下(2階)に来てて、道場のお客さんがどよめいてましたよ。小さな子なんかサインをお願いしてて。羽生さんは『対局中だからごめんね』って言ってましたけど(笑)」
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