(感想戦は20時30分過ぎに終わった)
(本局の棋譜です)
本日も観戦ありがとうございました。
第3局は11月10・11日に京都府京都市の「東本願寺 渉成園」で行われます。
(銀杏)
2009年10月の記事
BS中継の案内
第22期竜王戦第2局はNHKBSによる中継も行われます。
20時50分現在、速報が行われています。
解説は塚田泰明九段、聞き手は中倉彰子女流初段、司会は後藤理アナウンサーです。
※速報 10月29日 20時50分~21時
(リハーサルの様子。左から後藤アナウンサー、中倉女流初段、塚田九段)
感想戦での両対局者
自宅解説棋士の感想
【飯塚祐紀七段】
私が本局で印象に残った手は71手目▲1八飛です。角を切った直後だけに、落ち着き払った飛車の動きが目をひきました。基本手筋なのですが、同時中継で観戦していると意外感がありました。ここでは▲3五香△同銀▲同銀△2二玉▲2四歩かな、と見ていてこの変化も難しいと思うのですが、竜を確実に作る手の価値を高く見たわけです。△2二金▲1四歩△2五桂▲1三歩成△同歩▲同飛成があるので、
1筋は必ず破れます。この周辺の形勢判断については後手の中央の厚みをどう評価するかで変わってくるのですが、あとから思えば優れた判断だったと思います。結果は何より雄弁です。細かい攻めをつなぐ技術はさすが竜王ですね。竜は最後まで1八から動きませんでしたが、攻めの主軸であったことは間違いありません。
【佐藤天彦五段】
私は83手目で▲7五歩と打ったのが印象に残りました。矢倉戦ではB面攻撃は常に視野に入れるべきですが、このタイミングでは気が付かなかった。△8四飛の局面で▲74香は誰でも見えますが、▲7五歩を打つところからしっかり読むのは大変。部分的に非常に珍しい筋で、仮に見えたとしても無意識に却下してしまいそうな順だからです。ここは右辺に目が行きがちなところで、僕は▲3四歩から激しい変化を考えていました。こちらも際どかったはずです。ただ、本譜は自陣の囲いを崩さず、実戦的な勝ちやすさを重視する渡辺竜王好みの展開。渡辺竜王も確かな自信があって打ったわけではなかったかもしれませんし、その後も難解でしたが、らしさが出た指し回しだったと思います。
【吉田正和四段】
序盤は珍しい出だしから脇システムに誘導して、新手も指した森内九段のペースになったと思っていました。
しかし、57手目▲1三歩は気付きにくい手で、これからは渡辺竜王が大きな駒損で形勢は難解とはいえ、一方的に攻める将棋になったのが勝因だと思います。
(銀杏)
終局直後の談話
【渡辺明竜王】
「ずっと攻めが細かったので、最後まで分かりませんでした。ずっと入玉を心配していたのですが、▲3五金(135手目)と縛って入玉が無くなったので、勝ちになったかなと思いました。作戦的には…1日目に▲7五歩(53手目)と突いていく順は想定していませんでした。定跡から外れて、どうなっているのかちょっと分からなかったです。次も変わらず頑張りたいと思います。」
【森内俊之九段】
「1筋から、すんなりと飛車を成られてしまったので…少しでも攻めが重くなってくれればチャンスがあるかと思ったのですが。なかなか、こちらから攻める展開にならなかったですね。△7三角(52手目)は一回指してみたかった手ですが、その後の端攻めがかなり強烈だったですね。連敗となりましたが、気を取り直して頑張りたいです。」
(烏)
終局直後の両対局者
(矢倉戦を制し、2連勝とした渡辺明竜王(写真上)。敗れた森内俊之九段は受け一方の展開を強いられた)
(銀杏)
投了の瞬間
(141手目▲4四銀を見て、森内九段が投了した。渡辺竜王が2連勝となった)
(銀杏)
渡辺竜王が勝利
渡辺明竜王に森内俊之九段が挑戦する第22期竜王戦第2局は渡辺竜王の勝ちとなりました。消費時間は渡辺7時間53分、森内7時間57分。この結果、七番勝負は渡辺竜王の2勝0敗となりました。
第3局は11月10・11日に京都府京都市の「東本願寺 渉成園」で行われます。
立会人は谷川浩司九段、解説は山崎隆之七段です。
(銀杏)
(投了時の盤面)
終局近し
森内九段は上部へ玉を逃がそうとしましたが、渡辺竜王の寄せは的確。135手目▲3五金まで進み、左右挟撃の形となりました。控え室では終局近しの雰囲気です。
(銀杏)
森内九段、徹底抗戦。渡辺竜王、残り10分
図は126手目△2二金まで。森内九段は徹底抗戦の構えです。駒の損得は金と桂香の2枚換え。いつの間にか、渡辺竜王の駒得となっています。渡辺竜王は考慮中に残り10分となりました。森内九段は残り18分です。
(銀杏)