81手目、▲7七同桂と渡辺竜王が指したところで、羽生名人の手がピタリと止まる。この数手、両者ノータイムで指していたが、果たしてどうなのだろうか?米長会長の解説によると、▲7七同桂の局面での千日手の筋があるとのこと。
「△8八歩に▲同金△7九銀。この局面は後手の持ち駒が金二枚だが、もし金銀ならば△8八銀成▲同玉△7九銀▲同玉△5七馬で先手玉が詰むので、以下▲6三歩△同金▲5二銀(右変化図1)と後手玉に詰めろをかけていく。
そこで後手は危険なので△6二金打とはじくが、▲6三銀成△同金で、こんどは駒が入れ替わったので先手玉が詰めろ。よって▲8九金打として△8八銀成▲同金△7九銀。▲5二銀(再び変化図)とせまって△6二金と打って・・・という千日手になる可能性もある。」
つまり循環手順は、変化図から△6二金打▲6三銀成△同金▲8九金打△8八銀成▲同金△7九銀▲5二銀の八手一組。「こんな筋は見たことがない」と一同。
2008年10月20日 (月)