2007年11月の記事

2007年11月28日 (水)

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50手目△9二飛まで。ここから▲1五歩△同歩▲同飛△9三桂▲1八飛△1四歩▲9六歩(地獄突きの図)が検討されています。

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地獄突きとは、自玉側の端から逆襲することをさす棋界用語。渡辺竜王はこういった変化を気にして、△9三桂の前に△9二飛と寄ったのかもしれません。

(烏)

【参考棋譜】

第17期竜王戦出場者決定戦1組
平成16年 3月17日 東京将棋会館

持ち時間▲九段 藤井  猛
各5時間△八段 中村  修

▲7六歩  △3四歩  ▲6六歩  △8四歩
▲6八飛  △6二銀  ▲1六歩  △1四歩
▲7八銀  △4二玉  ▲3八銀  △5二金右
▲7七角  △8五歩  ▲4八玉  △3二玉
▲5八金左△5四歩  ▲4六歩  △5三銀
▲3六歩  △7四歩  ▲3九玉  △2四歩
▲2六歩  △2三玉  ▲3七桂  △3二銀
▲4七金  △1二玉  ▲2七銀  △2三銀
▲1八飛

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△3三桂  ▲6七銀  △4四歩
▲7八飛  △3一角  ▲2八玉  △4二銀
▲3八金  △4三銀  ▲6五歩  △7三桂
▲5六銀  △3二銀右▲4五歩  △8六歩
▲同  歩  △4五桂  ▲同  桂  △4三金
▲3七金寄△2二角  ▲4八飛  △3一金
▲3五歩  △6五桂  ▲同  銀  △4五歩
▲4四歩  △同  金  ▲1五歩  △同  歩
▲3六桂  △3五金  ▲1五香  △1四歩
▲同  香  △1三歩  ▲1六桂  △1五桂
▲2四桂左△2一玉  ▲4四歩  △1四歩
▲3六歩  △4六金  ▲同  金  △同  歩
▲同  飛  △4二歩  ▲1三歩  △同  角
▲1二歩  △同  銀  ▲同  桂成△同  玉
▲2四銀  △2二香  ▲1三銀成△同  玉
▲2四金  △同  香  ▲同  桂  △2三銀打
▲3二桂成△同  金  ▲3三銀  △同  金
▲4三歩成△同  歩  ▲3三角成△3二金
▲同  馬  △同  飛  ▲4三飛成△3三飛
▲4六角  △2四角  ▲同  角  △同  銀
▲4一竜  △3一金  ▲2五金  △2三歩
▲2一金  △5五角  ▲3七角  △同  角成
▲同  金  △2二銀  ▲3一金  △同  飛
▲1四金  △同  玉  ▲1六歩  △1三玉
▲1四香  △同  玉  ▲1五歩  △1三玉
▲2一角
 まで、133手で藤井  猛九段の勝ち。
(消費時間=▲4時間59分、△4時間59分)

西條記者「ちゃんとした図面載せないと藤井さんに怒られちゃうんで(笑)」

(烏)

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佐藤二冠は1時間ほど考えて▲1八飛と寄りました。狙いは▲1五歩△同歩▲同飛の歩交換。すんなり実現すれば、その一歩を別の場所に使うことができます。

西條記者「下図のような形で1筋を交換するシステムがあると、以前藤井猛九段に聞いたことがあります」

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どちらも香の利きが消えたのを見越した指し方。モニターから渡辺竜王が「いやー」と呟く声が聞こえてきました。

(烏)

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14時過ぎ、渡辺竜王が△9四香と上がったところで局面が止まっています。この手は△9三桂~△8五桂~△9二飛と端に戦力を集める狙いです。

前例は一局だけあり、△9四香のところで△4二銀▲5八飛△5二飛▲7七金寄△3三銀▲7九金△9四香と進み、結局端攻めを目指す形になりました。本局も後で合流するかもしれません。

(烏)

12時半、和田三段の「休憩です」の声に、渡辺竜王はすぐに席を立ち対局室を後にしました。対して佐藤二冠は、しばらく扇子で顔を扇ぎ盤を見つめてから対局室を後にしました。

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(昼食休憩時の盤面)

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(本局使用の駒は、伊藤久徳作の源兵衛清安(太字))

(烏)

第23期十段戦七番勝負第3局
昭和59年11月14日 山形県天童市「滝の湯ホテル」(現ほほえみの宿 滝の湯)

持ち時間▲王将 米長 邦雄
各9時間△十段 中原  誠

▲7六歩  △8四歩  ▲6八銀  △3四歩
▲7七銀  △6二銀  ▲2六歩  △4二銀
▲4八銀  △3二金  ▲7八金  △5四歩
▲6九玉  △4一玉  ▲5六歩  △5二金
▲3六歩  △7四歩  ▲5八金  △3三銀
▲7九角  △3一角  ▲6六歩  △4四歩
▲6七金右△4三金右▲3七銀  △6四角
▲6八角  △3一玉  ▲7九玉  △2二玉
▲8八玉  △8五歩  ▲4六銀

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△4五歩
▲3七銀  △5三銀  ▲4八飛  △4四銀右
▲1八香  △5五歩  ▲4六歩  △5六歩
▲同  金  △5二飛  ▲4五歩  △5六飛
▲4四歩  △同  金  ▲4五歩  △4七歩
▲同  飛  △5八飛成▲4八飛  △同  竜
▲同  銀  △4三金引▲4四銀  △2八飛
▲4三銀成△同  金  ▲6五歩  △4二角
▲3九金  △1八飛成▲4六角  △7三香
▲8二飛  △7五歩  ▲8一飛成△7六歩
▲6八銀  △7七銀  ▲同  桂  △同  歩成
▲同  銀  △同  香成▲同  玉  △5四桂
▲5五角  △6六銀  ▲同  角  △同  桂
▲6八金  △2七竜  ▲3七銀打△9五角
▲6七玉  △5四金  ▲7七歩  △6五金
▲5六銀  △5五金打▲6五銀  △同  金
▲4七銀  △7六歩  ▲2五香  △7七角成
▲同  金  △同  歩成▲同  玉  △7八金
▲6七玉  △5八銀
まで、106手で中原  誠十段の勝ち。
(消費時間=▲7時間8分、△8時間36分)

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中原十六世名人「ふむふむ、僕が勝ったのか。こりゃなかなか元気がいい将棋だね

(烏)