カテゴリ

2022年6月 3日 (金)

千日手成立時の様子

Img_5152

Img_5155(立会人の小林健九段が対局規定を読み上げ、両対局者に向けて丁寧に持ち時間等の解説を行った)

【66手で千日手が成立 第93期ヒューリック杯棋聖戦第1局|産経新聞】
https://www.sankei.com/article/20220603-UF4EE4GFXVNTNJPZ4FGGRD6K5M/

(虹)

千日手が成立

終了図


第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局は、66手で千日手が成立しました。終局時刻は16時17分。消費時間は▲藤井棋聖3時間11分、△永瀬王座2時間30分。

指し直し局は、先後を入れ替え、30分後に開始します。その際、藤井棋聖の残り時間が1時間を切っているため、指し直し局にはそれぞれ11分ずつ加え、藤井棋聖の持ち時間は1時間0分、永瀬王座の持ち時間は1時間41分で始めます。

(夏芽)

再・千日手の可能性

_20220527__20220603_54

_20220527__20220603_58
ふたつの図は同一局面です。先手は角、後手は飛車をそれぞれ上下運動しました。47手目付近の千日手筋からは外れましたが、別の形で千日手筋に入っています。ただし、先ほどは回避するかどうか後手の権利だと見られていましたが、今度は先手もその権利を有します。16時10分、藤井聡棋聖は10分ほど手を止めて考えています。

Img_5094(今度は千日手か、あるいは再度外すのか)

(虹)

意表の角引き

_20220527__20220603_55

控室では代えて▲7七桂や▲9五歩が検討されていました。後手は△2二玉と入城したあと、△5四金や△5二飛で攻めを作れそうなため、先手はいまのうちに手を作りたいとの見立てでした。しかし実戦は▲8八角です。盤面モニターに着手が映し出されると、東八段からは「考え方が違うのか……」と声が漏れます。

「これは次に▲6六歩~▲6七銀として、(1)▲7八玉と囲うのもありますけど、(2)▲7九飛と回ってから7筋を攻めてみたいです」(小林健九段)
「指されてみればなるほどの手ですね」(東八段)

Img_5144(小林健九段)

Img_4946(東八段)

(虹)

午後のおやつ

15時、両対局者におやつが用意されました。注文は、藤井聡棋聖が「オレンジジュース」と「アイスティー」、永瀬王座が「アイスコーヒー」と「ホットコーヒー」。永瀬王座は午前と同じ内容のものを選んでいます。

Img_5120(藤井聡棋聖の注文)

Img_5138(永瀬王座の注文)

(虹)

淡路島

Img_4293(淡路島の北端付近。右奥には明石海峡大橋が見える)

淡路島は瀬戸内海東部に位置しており、兵庫県に属します。古事記に語り継がれる二柱の神、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)によって、日本列島中で最初に創造された島だという伝説が残っています。本局が行われる洲本市は島のおよそ中央部、淡路市と南あわじ市の間に位置し、紀淡海峡を隔てて和歌山県和歌山市と海上で接しています。
名物グルメは海鮮料理や淡路島バーガー。全国的にも有名な淡路島たまねぎをはじめ、生しらす、とらふぐ、ハモ、タコ、海苔、淡路牛、淡路ポークといった高品質な食材であふれています。

【洲本市ホームページ】
http://www.city.sumoto.lg.jp/

(虹)

千日手の可能性

_20220527__20220603_47
図から△5五銀▲7五角△6四銀▲6六角と進めば現局面と一致します。△5五銀に対して角を引くのは、△4六銀で突いたばかりの歩を取り払われてしまいます。つまり本譜▲4六歩は、藤井聡棋聖が先手番でありながら千日手を甘受しようということなのかもしれません。控室では「△3一玉~△3三銀とできて陣形を整えられたのが後手の主張で、先手は2歩得ながらやや苦しいと見ているのかも」との声があります。

Img_4792_2(千日手甘受か、それともほかに狙いがあるのか。藤井聡棋聖の思惑やいかに)

(虹)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===