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2024年4月22日 (月)

摩訶不思議な山崎流

早々に「山崎ワールド」が始まっています。初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二銀(1図)の出だしでした。

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珍しい出だしながら、1図の前例は55局もあります。ただ直近は2022年、その前は2015年に指されたことからもわかるとおり、公式戦ではそこまで現れません。
△3二銀は居飛車と振り飛車を含みにする意味と思われます。佐藤九段は向かい飛車に構えましたが、山崎八段は態度を明らかにしないまま自陣を整備しています。2図は11時前の局面です。

2024042218後手が居飛車にすれば次に△4二玉から囲って7筋の銀を急戦に使う構想、また相振り飛車を目指すなら△3二飛や△4五歩などの駒組みが浮かびます。佐藤九段はどちらの作戦にも対応できるように自陣を整備しないといけません。力戦形とあって、ともに序盤から時間を小刻みに使う展開になっています。

(紋蛇)

対局開始

Dsc_3396(10時、対局開始)

Dsc_3408(佐藤九段の初手は▲7六歩)

Dsc_3422(山崎八段。△3四歩と応じた)


(紋蛇)

朝の様子

Dsc_3338(山崎八段が先に入室し、下座に着いた)

Dsc_3339_2(佐藤九段は入室すると、タブレットを見ていた。恐らく段位をチェックし、自分が上座でよいのかを確認したのだろう)

Dsc_3346(一礼して駒箱を開ける)

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Dsc_3367(佐藤九段の振り歩先で、振り駒が行われた)

Dsc_3370(結果は歩が3枚。佐藤九段の先手が決まった)

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(紋蛇)

動画中継

本局はABEMAで動画中継が行われます(解説はなし)。

【情報ライブ第95期ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦 佐藤天彦九段対山崎隆之八段】
https://abema.tv/channels/shogi/slots/DW4NnAwvaj7DJ7

(紋蛇)

ヒューリック杯第95期棋聖戦挑戦者決定戦

藤井聡太棋聖への挑戦を目指すヒューリック杯第95期棋聖戦は、挑戦者決定戦を迎えました。勝ち上がったのは佐藤天彦九段と山崎隆之八段です。対局は2024年4月22日(月)10時開始、対局場は東京・将棋会館。持ち時間は各4時間です。主催の産経新聞社の観戦記は、勝又清和七段が執筆します。

佐藤九段が棋聖戦で挑戦者決定戦に勝ち上がるのは、第82期・第86期に続いてです。本局には勝てば初挑戦になります。全棋戦を通じて挑戦者決定戦に相当する一番まで進出したのは、2022年の第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負以来のこと。2019年の第77期名人戦七番勝負以来のタイトル戦出場を目指します。

山崎八段の棋聖戦挑戦者進出は、今回が初です。全棋戦を通じて挑戦者決定戦に相当する一番まで勝ち残ったのは、2022年の第35期竜王戦挑戦者決定三番勝負以来となります。棋聖挑戦となれば、初めてタイトルに挑戦した2009年の第57期王座戦五番勝負以来、2回目のタイトル戦出場です。
これまでの対戦成績は山崎6勝、佐藤5勝。現在は山崎八段が2連勝中です。直近の対局は昨年2月の第36期竜王戦1組出場者決定戦で、後手の山崎八段が一手損角換わりを採用しました。

ここ1年の両者の将棋の傾向を振り返ると、山崎八段は若手の頃から変わらずに居飛車を基軸にし、力戦を好みます。対する居飛車党だった佐藤九段は2020年からオールラウンダーになり、特に昨年9月から振り飛車を連採しています。戦型は対抗形か相振り飛車が有力ながら、オールラウンダー同士ならではの駆け引きが繰り広げられる可能性が高いです。特に力戦志向の山崎八段が変わった出だしを披露すれば、序盤から手が止まることでしょう。

どちらが勝っても、藤井聡棋聖とのタイトル戦は初めてです。藤井聡棋聖には初の永世称号「永世棋聖(通算5期以上で獲得)」が懸かっており、注目の五番勝負となります

本局の中継は、棋譜コメントを文、中継ブログを紋蛇が担当します。よろしくお願いします。

2023年7月19日 (水)

一夜明けて

棋聖位防衛、4連覇達成から一夜明けて、高島屋のロビーでミニインタビューが行われました。

Img_1625 一夜明けた藤井棋聖はリラックスした様子で笑顔が多く見られた。

【一夜明けインタビュー】

――今期の五番勝負は佐々木大地七段と熱戦を4局戦われました。今シリーズを振り返って、印象に残ったことがありましたら教えてください。
「やっぱり第1局がベトナムのダナンでありまして。自分にとっては海外に行くこと自体、始めてだったので。本当に新鮮なことが多くて。凄く楽しい思い出になったかなと思っています。また、今期の将棋は相掛かりに苦しめられることが多くて。序盤でペースを握られてしまう、第2局、第4局ともにそういった展開になってしまったので。その辺り、佐々木七段の強さと、自分にとっての課題があるのかなと感じました」

――今日で21歳になられたわけですが。この1年間で新たに棋王を獲得されたり。最年少で名人を獲得し七冠も達成されました。21歳を迎えて、次の1年間はどんな目標を立てられますか。
「そうですね(笑)。特に1年毎に目標を立てているわけではないのですけど。これまでの1年ですと、名人戦、棋王戦に始めて挑戦することができたのはよかったかなと思っています。これからは王座戦の挑戦を目指せればなと思っています。また、今シリーズもそうだったのですが、後手番のときにどう戦うかという課題が最近ではかなり大きくなっているかなと感じているので。そこに対してもどうしていくかというのを考えながら実力を高めていけるように取り組んでいきたいなと思います」

――昨日の夜はどのように過ごされましたか。
「軽く将棋の内容を振り返って、お風呂に入って(笑)。12時ぐらいに寝るという感じでした。起きたのは7時半ぐらいです」

――忙しい日々が続く中で、体調管理で気を付けていることはありますか。
「特に何か気を使っているということはないのですが。ただ、正直2~3年前と比べると、ちょっと疲れが残り出しているような気もするので。しっかり睡眠を取るとか、適度に運動をするとか、そういったことを今後心掛けていけたらと思っています」

Img_1641この日は藤井棋聖21歳の誕生日。八冠ロードを走る戦いは続く。

以上で第94期ヒューリュック杯棋聖戦の中継を終わります。
ご観戦誠にありがとうございました。

(八雲)

防衛記者会見

感想戦終了後に防衛を決めた藤井棋聖の記者会見が行われました。

Img_1600 【藤井聡太棋聖 防衛記者会見】
――4連覇達成のご感想と、来期は永世称号が懸かる勝負になることについて抱負を聞かせてください。
「今期、防衛できたことをとても嬉しく思っています。ただ、今期の4局の内容を振り返ってみると、押されている将棋も多くて。佐々木七段の強さを感じる場面も多くありました。これまでの期の中でも大変なシリーズだったのかなと感じています。来期は永世称号が懸かるということで、そういったチャンスは初めてのことになりますので、来期が始まるまでに少しでも実力を高めて臨めるようにできればと思います」

――明日で21歳になられます。1年前の五番勝負第4局の前後で誕生日を迎えられて。この1年、かなりお忙しかったと思いますし、濃い1年だったかと思います。7冠を獲得されたり、初めての海外対局もありました。改めまして、この1年で印象に残ったできごとなどがありましたら教えてください。
「1年を振り返ると本当にいろいろなことがあったなと感じます。まずは名人戦の大舞台に立つことができたのは、凄く自分にとって大きな経験になったのかなと思っています。直近1年間のタイトル戦ですと、広瀬八段や羽生九段など、これまでタイトル戦では対戦がなかった方と当たる機会も多くて。今回のシリーズもそうなのですけど、凄く学ぶことが多かったかなと思っています」

――直近で、まだ持たれてない8つ目のタイトルの王座戦の挑戦権が懸かった対局が近づいています。今回、棋聖位の防衛も8冠への第一関門ではあったと思います。また、王位戦もまだ残っています。その王位戦の防衛戦と8冠目への想いを聞かせてください。
「そういったことを期待していただいていることは嬉しく思うのですが、自分としては、それほど意識はしていなくて。王座戦では、これまでタイトルに挑戦する機会が作れなかったので。いまはそこを目指したいという気持ちは持っています。また、王位戦では、今回の棋聖戦の内容を踏まえながら、いい将棋が指せるように頑張っていければと思っています」

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――先ほど、局後のインタビューで、防衛戦が年々厳しくなってきていると感じている、とおっしゃっていました。逆にいえば、挑戦する立場のほうが、気は楽といいますか、無心で臨めるというようなことも感じているのでしょうか。
「ああいや、先程の発言は、そういった気持ちのことというよりは、将棋の内容についてで。本局もそうだったのですけど、特に後手番のときに、序盤から主導権を握られてしまうような展開が増えてきているなと思っているので。そこは今後も大きな課題になるかなと思っています」

――今の質問に関連して、年々厳しくなっている、特に後手番で主導権を握られる展開が、というお話しがありました。この要因について、ご自身の中で伸び悩みを感じておられるのか、もしくは研究が進んで、後手番の対策が非常に難しくなってきているという意味合いなのか、そこについても教えてください。
「私自身の成績で見ると、ここ2年ぐらいでは、先手と後手で勝率におそらく2割以上差が出ているので。やっぱり後手番でどう戦うかというのが非常に難しいところなのかなと思っています。要因というと、最近の将棋は、後手番の作戦が非常に洗練されて来ていて。1局毎に新しい工夫をされる将棋がかなり多くなっているので。それに対して、なかなかうまく対応できていないことが多いのかなと思っています。本局についても、序盤でこちらの認識に甘いところがあったのかなとも思っているので、そういったところを少しずつ埋めていかなくてはいけないのかなと考えています」

――本局の内容つきまして、△8七歩成(74手目)と指したところで、勝負手という表現があったのですが。対局中、第一候補の手というよりは、苦肉の策というような意味合いだったのか。他の手だとまずいと思ったのか、ということをもう少し伺わせてください。また、感想戦を終えて、何かわかったことがありましたら教えてください。
「戦いが始まったあたりから全体的に少し苦しいのかなと感じていて。その中で勝負手のつもりで指していたのですが。(△8七歩成に代えて)単に飛車を取る手(△2六香)も、やはり少し苦しい形勢なのかなと思っていたので、そういった意味もあって△8七歩成を選んだというところがあったのですが。ただ、(77手目に本譜▲3四香に代えて)▲7三香という手が対局中は見えていなかったのですけど、指されていたら厳しかったみたいなので。ただ、難しい局面で、時間も多くはなかったので、そのこと自体はやむを得ないかなと思っているんですけど。その前から少し、形勢を悲観してしまっていたというか。こちらの手段が、手前の局面でいろいろ考えられたと思うので。ちょっとその辺りの判断に課題が残った部分もあったかなと思っています」

――本局は相掛かりという戦型でしたが、藤井棋聖自身も先手でよく指していた時期もあったと思うのですが。現状、改めてこの戦型と向き合ってみて、以前と違う部分があるのか、まだまだ可能性があるというか、いろいろわからないことが多いなという印象なのか。その辺りはどのように考えているか教えてください。
「相掛かりは、序盤からかなり選択肢の広い戦型で。指していてもわからないところが多いなと毎回感じています。ただ、細かい手の組み合わせで、かなり変わってきてしまうところが多いので。そういった形に関する認識をより深めていく必要があるのかなと思っています」

――中継をご覧いただいているファンのみなさまへ一言お願いいたします。
「遅くまで対局をご覧いただきありがとうございました。本局は序盤から佐々木七段に積極的に動かれて、こちらが少しずつ損をしてしまうような展開で。その辺りが自分の課題が出てしまったのかなと思っています。終盤もいろいろあって、本当に難しい将棋だったのですけど。最後まで集中して指すことができて、結果につなげられたのが凄く嬉しく思っています。来週以降、王位戦を始め、王座戦であったり、対局が続くことになるので、しっかりコンディションを整えて精一杯指したいと思います」

以上で記者会見の内容を終わります。
明日は一夜明けの取材が予定されています。
(八雲)

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