カテゴリ

2012年7月 5日 (木)

羽生棋聖、タイトル81期の大記録達成

Kisei20120705010177
第83期棋聖戦第3局は、77手まで羽生棋聖の勝ちとなりました。終局は18時33分、消費時間は▲羽生3時間45分、中村3時間59分。
五番勝負はこれで羽生棋聖の3連勝。防衛を果たすとともに81期目のタイトル獲得となり、(故)大山康晴十五世名人が持つタイトル獲得数80期の記録を破りました。

先手勝勢の声

65
図の▲2六金は強い手で決着をつけにいった一手。
ニコニコ生放送解説の屋敷九段も予想しており、この手で先手勝ちと見ているようです。

控え室も終局近しの雰囲気。
羽生棋聖が勝てば、タイトル獲得数歴代単独1位の偉業が達成されます。

(八雲)

羽生のギヤチェンジ

20120705mo1800

画像は控え室にどよめきをもたらした▲3六飛がさされた局面。

「指されてみれば羽生棋聖らしいスピードダウンするギヤチェンジの一手ですね。しかし、ここで▲3六飛は思いつかない。こんな切り合いの場面で緩急をつけられたら、中村さんは疲れちゃうね」と勝又六段。

▲3六飛以下、△4五角成▲2三飛成△2五金と進みました。
▲2三飛成が指された瞬間、モニターを見ていた関係者からは「羽生さんの手が少し震えた」の声。

(八雲)

粘りある一手

54
17時30分過ぎ、控え室でも予想されていた△3三金が指されました。
一時は先手優勢と見られていましたが、この手が粘りある好手で控え室の見解は「形勢不明」に戻っています。

―棋譜コメントより抜粋―
「△3三金以下▲2二飛△4二金▲2一飛成に△4四歩(参考図)と馬の利きを通し、手番がまわれば△2四銀と桂を取りきることができる。途中の▲2一飛成に代えて▲4五桂も、△3四金▲同飛△同銀▲3二桂成△6四歩で、これも一筋縄ではいかない」

58_2

17時45分頃、実戦は△3三金以下▲2二飛△4二金に▲4五桂(次図)と進みました。
▲4五桂までの局面で「羽生さんが残り26分。中村さんは19分」と対局室から戻ってきた勝又六段。

57

(八雲)

七夕まつり

対局は羽生棋聖が長考中です。
控え室の結論も容易には出ず、現在のところ「難しい」と言われています。

対局地の有福温泉は七夕まつりが行われています(写真は昨夜撮影)。
難解な終盤戦を乗り切って織姫と出会えるのはどちらでしょうか。

409
前夜祭でも演じられた「石見神楽」。

414
ろうそくの灯篭。

417
有福温泉は階段の街。

(八雲)

観戦記者の目

52
―棋譜コメントより抜粋―
(図の1手前▲2七金の局面で)「中村さん、残り23分。羽生さんはまだかなり残してる。羽生さんは自信を持っている雰囲気でした」と、対局室に入っていた勝又六段。

478
17時頃の対局室モニター。△7六馬を見て羽生棋聖が考えています。

(八雲)

大盤解説会の様子

448
15時過ぎの大盤解説は立会人の小林健二九段が担当。

453
里見香奈女流四冠も飛び入りで大役を果たした。

(八雲)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===