羽生善治棋聖
「本日は前夜祭を盛大に開催していただきありがとうございます。こちら淡路では数多く棋聖戦を開催していただいておりまして、18年前も対局者として来ていました。毎年やっていただいて嬉しく思います。今回は渡辺さんと対局ということで、注目されるシリーズです。皆さんに喜んでもらえるような将棋を指せるようにがんばりたいと思います。明日からお世話になります。どうぞよろしくお願いします」
渡辺明竜王
「本日は大勢の皆さまにお越しいただきありがとうございます。関係各位に心より御礼申し上げます。前夜祭の会場は広い会場だなと思っていたのですが、それでも奥まで一杯になって、これだけ多いのはなかなかありません。棋聖戦は6年前にも挑戦しているのですが、そのときは1勝だけでした。その1勝を挙げたのがこの淡路で、相性のよさはあるのかなと思います。それを明日の対局でも生かしていけたらと思います。注目されている状況ですが、内容もともなうように、熱戦を指せるようにがんばりたいと思います。明日の大盤解説会もお誘い合わせの上、大勢の皆さまにお越しいただきますよう、よろしくお願いします」
(翔)
片山雅文・産経新聞大阪本社編集局長
「本日はお忙しい中、お越しくださいましてありがとうございます。また、先日の地震に被災された皆さまにお見舞いを申し上げたいと思います。先ほどのお話にもありましたように棋聖戦は平成8(1996)年からここ淡路で行わせていただいておりますが、これは棋聖戦を復興のシンボルにしよう、少しでもみなさんが元気になれたらということで始めたことです。明日の羽生-渡辺戦はドリームマッチで、日本一の棋士を決める戦いです。1人でも多くのファンが生まれるのを願っています。明日の大盤解説会にはぜひお誘い合わせの上、多くの方に来ていただければと思います」
谷川浩司・日本将棋連盟会長(九段)
「第1局の前夜祭に来ていただきありがとうございます。開催にご尽力いただいた全ての皆さまにお礼申し上げます。
ここ数年、注目を浴びているのがこの棋聖戦です。昨年は中村太地六段が初挑戦、羽生棋聖が防衛を果たしてタイトル獲得通算81期を達成しました。そして今年は史上初の三冠によるタイトル戦で、一番見たい組み合わせとなりました。羽生棋聖と渡辺竜王はこれまでに46局対戦しており、2012年度も11局、大事なところでの顔合わせが目立ちました。これからもきっと増えていくことだろうと思います。
明日は大盤解説会が行われます。私も解説会に出させていただこうと思っておりますので、多くの方にご参加いただけたらと思います。
また、先日の地震で被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。東日本大震災から2年が経ちまして、棋士を指導に派遣したり、タイトル戦を重点的に開催したりと活動をして参りました。ここ淡路で18年間開催していただいているのは非常にありがたいことです。淡路が元気になったとアピールすることが、東北への力強いメッセージになればと思っています」
立会人・井上慶太九段
「淡路で立会人を務めさせていただくのは久しぶりです。本日はたくさんの方に参加していただきありがとうございます。羽生さんと渡辺さんの間に座って待っていたのですが緊張しました。ファンに取って最高のカードで、全国のファンが注目していることと思います。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、記録係を務める桝田は私の弟子でして、ここ洲本の出身です。現在は奨励会の二段でがんばっています。タイトル戦の記録を取るのは初めてのことで、これを糧にがんばってもらいたいと思います。皆さまにも応援をしていただければ嬉しく思います」
(翔)
安倍茂・兵庫県淡路県民局局長
「第1局をここ淡路で開催できることを心から喜ぶとともに、地震(2013年4月13日に発生したマグニチュード6.3の地震)に被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
淡路島で初めて棋聖戦が行われたのは平成8(1996)年のことです。その前年には阪神淡路大震災がありました。震災を受けて、何か新しい、明るい話題はないかということで実現したのが淡路での棋聖戦です。兵庫県は将棋とは縁が深く、谷川先生や内藤先生が在住されている他、加古川には井上九段の他にも5人の棋士と関係があり、加古川青流戦も行われています。このような淡路の舞台で雌雄を決する戦いが行われるわけであります。
私は大の将棋ファンで、かれこれ50年、半世紀に渡ってずっと将棋を見てきました。個人的には谷川先生の大ファンで、50歳で名人を、と期待しています。
第1局の観戦記を担当していただきます本間先生にはよく指導対局をしていただきました。そのおかげで、県の職員大会で優勝することができました。
将棋界には『米長哲学』という言葉がありますが、その哲学は人生の大きな糧となっています。このような場であいさつできることは大きな喜びであります。明日は羽生・渡辺時代にふさわしい熱戦を期待したいと思います」
(50年来の大の将棋ファンである安倍局長が語るエピソードに笑みを浮かべる棋士たち)
(翔)