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2018年5月 1日 (火)

盤上は激しく

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図は△6五桂で手抜きで▲2四歩と突いた局面。午前中から盤上は嵐の予感だ。消費時間は、▲三浦九段55分、△豊島八段29分。

Dsc_0029(△6五桂に手抜きで▲2四歩と突かれた豊島八段。視線の先には何が見えているのか)

(吟)

五月晴れ

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Dsc_0063(本日の東京は五月晴れ)

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Dsc_0070(東京・将棋会館1階で販売中。『将棋べっこま飴』、加藤一二三九段が開発に携わった)

(吟)

両対局者と棋聖戦

三浦九段、豊島八段ともに、棋聖戦五番勝負の経験があります。三浦九段は第67期に棋聖を獲得しています。当時、全タイトルの七冠を保持していた羽生棋聖を倒しての奪取で、大いに話題になりました。

三浦九段の棋聖戦での通算成績は68勝40敗(0.630)。

豊島八段の棋聖戦での通算成績は23勝12敗 (0.657)。

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(吟)

開始直前の特別対局室

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Dsc_0021(三浦九段の振り歩先で振り駒が行われた。「歩が3枚です」と記録係に振り駒の結果を告げられると、三浦九段は小さくうなずいた)

Dsc_0032(9時49分に駒は並べ終えられていた。気息を整える両対局者)

(吟)

対局開始

Dsc_0047(定刻の10時、一礼をして対局が開始された)

Dsc_0050(先手番になった三浦九段の初手は▲7六歩)

Dsc_0053(2手目△8四歩と飛車先の歩を突く豊島八段)

Dsc_0058(2手進んだ特別対局室の様子)

(吟)

まもなく挑戦者決定戦開始

第89期ヒューリック杯棋聖戦(主催:産経新聞社、特別協賛:ヒューリック株式会社)はいよいよ挑戦者決定戦を迎えました。羽生善治棋聖に挑戦するのは三浦弘行九段か豊島将之八段か。
対局は5月1日(火)東京・将棋会館「特別対局室」で10時開始。持ち時間は各4時間で先後は振り駒で決定されます。
中継は棋譜コメント入力が八雲、ブログを吟が担当します。どうぞよろしくお願いします。

【産経新聞社】
https://www.sankei.jp/

【ヒューリック株式会社】
https://www.hulic.co.jp/

本局はAbemaTVで生中継されます。解説は行方尚史八段、西尾明六段、聞き手は山口恵梨子女流二段、飯野愛女流初段が務めます。

【AbemaTV 将棋】
https://abema.tv/now-on-air/shogi


2017年7月12日 (水)

一夜明けて

対局翌朝に羽生棋聖のインタビューが行われました。10連覇通算16期目の棋聖位獲得を振り返るとともに、今後の抱負を語りました。

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――一夜明けて、改めて防衛の感想をお願いします。
羽生 シリーズが終わってホッとしました。産経新聞を見て、実感がわきました。

――棋聖10連覇の偉業を達成しました。
羽生 あまりそれを意識して目指していたわけではないですが、結果として出たことは自分でもびっくりしています。頑張ってきたものが形となって、よかったと思います。

――ことごとく若い世代の挑戦を退けています。
羽生 いまは20代で勢いのある研究熱心な人がたくさんいます。それぞれタイプが違うので、対策を考えながら対応しているのが実情です。そういう若い人たちの感覚を自分自身に取り入れながら、やっていけたらいいなと思います。

――将棋を指すなかで若い世代を意識するということはありますか。
羽生 毎回というわけではないんですが、ある程度、最新の形でも対応できるように、知っておくのは大事かなと思っています。研究にはまってしまうということもあるんですが、毎回それを避け続けていくということもできません。流行形をフォローしていくのも大事だと思います。

――挑戦者の斎藤七段は物腰の柔らかい好青年だったと思います。闘志がわきにくくてやりにくいということはありましたか。
羽生 やりにくさというよりも、初めてのタイトル戦で堂々と対局していたのが印象に残っています。

――3勝1敗でシリーズを制しました。総括をお願いします。
羽生 4局とも非常に接戦というか際どい内容が続きました。どの対局もどちらに転んでも不思議はなかったと思います。

――あと2期で通算100期のタイトル獲得になります
羽生 いまタイトル戦が進行中ということもあるので、それに勝っていって、結果としてそういう形になればいいなと思います。ただ、意識しても仕方がないので、自分らしい将棋を指して結果としてついてくればと思っています。

――藤井聡太四段について、檜舞台で待っているとコメントしていました。早くタイトル戦で戦ってみたいですか。
羽生 早くやってきてほしいというよりも、私自身がどこまで頑張れるかということです。あの年齢であの完成度はすごいと思います。中学生のときは粗削りというか、欠点があると思うんですけど、藤井四段はそれが見当たりません。それがいままでの棋士と違うと思います。

――棋聖10連覇。そして大山康晴永世棋聖や中原誠永世棋聖に、棋聖の獲得数が並びました。それが、ここ高島屋で刻まれたことについて、感想をお願いします。
羽生 大山先生と中原先生は長きにわたって活躍されましたが、それはやっぱり大変なことなんだと、最近になって実感することが多いです。高島屋さんでは数多くの対局をしてきて、今回また自分にとって記憶に残る対局が指せたのではないかなと思っています。

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以上で第88期棋聖戦五番勝負の中継を終了いたします。ご観戦ありがとうございました。また来期の戦いにご期待ください。

(書き起こし=紋蛇、写真=琵琶)

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