
渡辺名人が▲4六歩(79手目)と反攻に出て決戦になりました。実戦は△4六同歩▲2五歩△同歩▲4五歩と進行。積極的に攻めかかっています。

狙いは△4五同桂▲同桂△同銀▲4四桂で、こう進めば先手成功です。とにかく先手陣が堅いので順調に攻めが続けばいいのですが、参加しているのは飛角桂で非常に攻めが細いのが問題。渡辺名人が得意とする展開ではありますが、条件は先手にとって厳しそうです。ただ、堅さが大差のため、一発でもいいパンチが入れば後手玉は空中分解してしまう恐れもあります。永瀬王座にとって神経を使う中盤戦になりそうです。
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戦いが始まり、永瀬王座がじりじりと態勢を整えています。穴熊は堅い囲いですが、金銀が偏ることが弱み。永瀬王座は△6四角(68手目)から△3三桂(74手目)と、角と桂のコンビネーションで手薄な方面に狙いをつけました。次に△2五桂▲同桂△1九角成と飛車を目標にする順があり、先手としてはやっかいです。渡辺名人はなんと▲2六歩(75手目)と辛抱しました。
囲いの補修なら歩を打つのは自然ですが、2筋は先手にとって攻撃陣。飛車も使えなくなるので部分的には相当につらい手です。
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渡辺名人の持久戦志向に永瀬王座が歩調を合わせ、じっくりした展開になりました。永瀬王座の△2四歩(48手目)は弱点を突くだけにぎょっとしますが、次に△2三金と上がって補強する用意で、その有効性が知られつつあります。実戦は▲8八玉△2三金▲6九銀△3二玉▲6八銀上と進みました。

金銀4枚の囲いは以前の矢倉ではよく見られましたが、近年では珍しくなりました。さらに▲9八香~▲9九玉と穴熊に組み替えて堅さを追求する順があり、バランスよく構えている後手とは対照的です。平成の目では玉が堅いほど実戦的に勝ちやすいのですが、令和では玉の薄さを読みの力でカバーし、攻撃に戦力を回す考え方が主流になりました。本局は挑戦権争いだけでなく、時代によって移り変わってきた思想の戦いでもあります。
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