図は11時20分ごろの局面。深浦九段に対局者と本局の印象について聞きました。
――藤井棋聖について。
山崎八段と藤井棋聖は、将棋の質が真逆です。藤井棋聖もまだはかりかねている部分もあると思いますが、藤井棋聖のことですから、これまでとは違うものが吸収できると、前向きに考えられているのではないかなと思います。
――山崎八段について。
前夜祭で「挑戦者になってしまった」と山崎調のあいさつをされていましたが、昨日今日と山崎八段を見ていて、このシリーズにかける並々ならぬ気迫、強い思いを感じました。
――序盤の流れについて。
思ったよりも穏やかに進行しています。山崎八段は2筋の歩を切ることもできましたが、あえて見送りました。歩を手持ちにしたほうが指し手の選択肢が広がるのですが、本譜は狭いほうへ、狭いほうへと進んでいるようにも見えます。先手のよさをどう出していくか、現時点でははっきりとわかりません。山崎さんの構想に注目です。先手の戦略としては、指し手の可能性が多い局面で、うまく後手に手を渡したいです。藤井棋聖も手探りで指しているとは思いますが、自然な手を積み重ねている印象です。普段通りの藤井棋聖です。
「龍宮城スパホテル三日月」は東京湾アクアラインを降りてすぐの場所にあります。新鮮な海の幸、オーシャンスパ、アクアパーク、お祭りランド、木更津温泉など魅力満載のホテルです。ホテルの前は東京湾の干潟(金田海岸)になっていて潮干狩りも楽しめます。
三日月グループのホテルは、ほかにもタイトル戦を開催しています。「ダナン三日月」(ベトナム)は前期第1局の開催地でした。「日光きぬ川ホテル三日月」は近年、棋王戦の開催地に選ばれています。
【龍宮城スパホテル三日月】
https://www.mikazuki.co.jp/ryugu/
證誠寺は浄土真宗本願寺派のお寺。JR木更津駅から徒歩10分です。木更津市の記事で書いたように、證誠寺の狸囃子伝説があり、童謡『証城寺の狸囃子』のモデルになりました。境内には童謡碑があります。
【證誠寺】
https://shojoji.net/
木更津市(きさらづし)は千葉県の中西部の都市。市域は東西に長く、西側は東京湾に面し、東側は丘陵地帯が広がります。古くから港町として栄えてきました。1997年には東京湾アクアラインが開通して都心からのアクセスも便利に。丸山忠久九段は同市出身で名誉市民です。
市のマスコットキャラクターはたぬきの「きさポン」。市内の證誠寺には狸囃子伝説があり、童謡『証城寺の狸囃子』のモデルになりました。JR木更津駅の発着メロディにも使われています。駅の近くを歩くと、たぬきの絵や焼き物がたくさん見つかります。
しょう しょう しょうじょうじ
しょうじょうじのにわは
つ つ つきよだ
みんなでて こいこいこい
おいらのともだちゃ
ぽんぽこぽんのぽん
藤井棋聖が初めてタイトルを獲得したのは2020年の第91期棋聖戦。前述したように現在まで4連覇中で、今期防衛すれば自身初の永世称号、永世棋聖の資格を獲得します。
これまで永世棋聖を獲得したのは、大山康晴、中原誠、米長邦雄、羽生善治、佐藤康光の5人(段位、敬称略)。最年少は中原永世棋聖の23歳11ヵ月。これは棋聖戦以外を含めても最年少の永世称号獲得記録。7月生まれの藤井棋聖は現在21歳です。最年少記録の更新が懸かっています。
以下はタイトルごとの藤井棋聖の獲得期数、永世称号獲得条件、最年少永世記録。藤井棋聖は、棋王戦以外の7棋戦で記録更新が可能です。
永世竜王 現在3期 連続5期もしくは通算7期(獲得時最年少=渡辺明24歳7ヵ月)
永世名人 現在2期 通算5期(中原誠28歳)
永世王位 現在4期 連続5期もしくは通算10期(羽生善治26歳)
永世叡王 現在3期 通算5期保持(獲得者なし)
名誉王座 現在1期 連続5期もしくは通算10期(羽生善治25歳11ヵ月)
永世棋王 現在2期 連続5期(羽生善治24歳5ヵ月)
永世王将 現在3期 通算10期(羽生善治35歳)
永世棋聖 現在4期 通算5期(中原誠23歳11ヵ月)