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第95期棋聖戦五番勝負第1局

2024年6月 6日 (木)

休憩中の対局室

Dsc_3726(休憩中の対局室。潮が引いて干潟が見えてきた)

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Dsc_3732(37手目▲7五歩は読みにくい、山崎八段らしい手だった)

Dsc_3743(大竹竹風作、菱湖書)

(牛蒡)

昼食休憩

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12時になり、図の局面で藤井棋聖が19分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は、☗山崎1時間13分、☖藤井1時間28分(持ち時間は各4時間)。山崎の昼食の注文は「木更津名物 あさりカレー・ミニサラダ付き、紅茶」、藤井棋聖は「はかりめ丼(穴子丼)、ウーロン茶」。対局は13時から再開されます。

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(牛蒡)

午前の進行について

240606_034図は11時20分ごろの局面。深浦九段に対局者と本局の印象について聞きました。

――藤井棋聖について。

山崎八段と藤井棋聖は、将棋の質が真逆です。藤井棋聖もまだはかりかねている部分もあると思いますが、藤井棋聖のことですから、これまでとは違うものが吸収できると、前向きに考えられているのではないかなと思います。

――山崎八段について。

前夜祭で「挑戦者になってしまった」と山崎調のあいさつをされていましたが、昨日今日と山崎八段を見ていて、このシリーズにかける並々ならぬ気迫、強い思いを感じました。

――序盤の流れについて。

思ったよりも穏やかに進行しています。山崎八段は2筋の歩を切ることもできましたが、あえて見送りました。歩を手持ちにしたほうが指し手の選択肢が広がるのですが、本譜は狭いほうへ、狭いほうへと進んでいるようにも見えます。先手のよさをどう出していくか、現時点でははっきりとわかりません。山崎さんの構想に注目です。先手の戦略としては、指し手の可能性が多い局面で、うまく後手に手を渡したいです。藤井棋聖も手探りで指しているとは思いますが、自然な手を積み重ねている印象です。普段通りの藤井棋聖です。

Dsc_3657(主催紙の取材を受ける深浦九段)

(牛蒡)

龍宮城スパホテル三日月

「龍宮城スパホテル三日月」は東京湾アクアラインを降りてすぐの場所にあります。新鮮な海の幸、オーシャンスパ、アクアパーク、お祭りランド、木更津温泉など魅力満載のホテルです。ホテルの前は東京湾の干潟(金田海岸)になっていて潮干狩りも楽しめます。
三日月グループのホテルは、ほかにもタイトル戦を開催しています。「ダナン三日月」(ベトナム)は前期第1局の開催地でした。「日光きぬ川ホテル三日月」は近年、棋王戦の開催地に選ばれています。

【龍宮城スパホテル三日月】
https://www.mikazuki.co.jp/ryugu/

Dsc_0786(敷地内には大きな建物がいくつかある。こちらは対局が行われる富士見亭)

Dsc_0810(ロビーから海が見える)

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Dsc_0812(ホテル前の遠浅の海)

Dsc_0849(写真は5月末に撮影)

海ほたる

東京湾アクアラインは、東京湾の中央部を横断する自動車専用の有料道路で、木更津市と対岸の神奈川県川崎市を結びます。全長は15kmほどで、人工島の「海ほたる」を境にして、川崎までは海底トンネル、木更津までは海上の道路でつながっています。海ほたるの住所は「千葉県木更津市中島地先海ほたる」です。

Dsc_0946(海ほたる。内部はレストラン街がメインで観光名所になっている)

Dsc_0886(海ほたるから東京を望む)

Dsc_0856(東京湾はたくさんの大型船が行き交う。羽田空港も近い。写真右に飛行機)

Dsc_0966(北側は東京都江東区や江戸川区、千葉県船橋市の街並みが見える)

Dsc_0973(海ほたるから木更津は海上の道路でつながる)

Dsc_0921(海ほたるは360度オーシャンビュー)

Dsc_0876(海底トンネルを掘り進んだシールドマシンのカッターフェイスを復元した記念碑)

Dsc_1006(写真は5月末に撮影)

太田山公園

證誠寺から駅をはさんで反対側にある太田山公園。公園内の「きみさらずタワー」をのぼると市内を一望できます。猫の多い公園でした。

Dsc_0692(タワーから北西の東京方面を望む。うっすらと高層ビル群が見える)

Dsc_0689(南西方面は、君津市の工業地帯が広がる)

Dsc_0694(木更津市の東側は丘陵地帯)

Dsc_0707(人に慣れていた。地域猫だろうか)

Dsc_0710(写真は5月末に撮影)

證誠寺

證誠寺は浄土真宗本願寺派のお寺。JR木更津駅から徒歩10分です。木更津市の記事で書いたように、證誠寺の狸囃子伝説があり、童謡『証城寺の狸囃子』のモデルになりました。境内には童謡碑があります。

【證誠寺】
https://shojoji.net/

Dsc_0723(證誠寺。たぬきがお出迎え)

Dsc_0734(童謡碑。ここにも、たぬき)

Dsc_0737(聞きなじみのあるメロディ)

Dsc_0744(写真は5月末に撮影)

木更津市

木更津市(きさらづし)は千葉県の中西部の都市。市域は東西に長く、西側は東京湾に面し、東側は丘陵地帯が広がります。古くから港町として栄えてきました。1997年には東京湾アクアラインが開通して都心からのアクセスも便利に。丸山忠久九段は同市出身で名誉市民です。
市のマスコットキャラクターはたぬきの「きさポン」。市内の證誠寺には狸囃子伝説があり、童謡『証城寺の狸囃子』のモデルになりました。JR木更津駅の発着メロディにも使われています。駅の近くを歩くと、たぬきの絵や焼き物がたくさん見つかります。

しょう しょう しょうじょうじ
しょうじょうじのにわは
つ つ つきよだ
みんなでて こいこいこい
おいらのともだちゃ
ぽんぽこぽんのぽん

Dsc_0761(JR木更津駅)

Dsc_0654_2(駅前)

Dsc_0665(案内図。木更津市の形がよくわかる。ホテル三日月は市の北西にある)

Dsc_0668(きさポン)

Dsc_0747(地元の高校生が描いたもの)

Dsc_0754(寿司屋のたぬきは、手に魚を持ち、頭にタコをのせていた)

Dsc_0766(写真は5月末に撮影)

15年ぶりのタイトル戦

山崎八段が初めてタイトル戦に登場したのは2009年の王座戦。当時は28歳でした。今回は15年ぶり2回目のタイトル挑戦です。15年のブランクは西村一義九段の18年に次いで2番目に長い期間です。

山崎八段は報道で「最後のチャンス」「最後の大舞台の思いで指す」と決意を語っています。関係者の話によれば、関西将棋会館で練習将棋を指す回数もこれまで以上に増えていたそうです。強い決意は結果にもつながり、4月から7連勝中(挑戦決定後は3連勝)と絶好調。竜王戦ランキング戦1組でも優勝しました。

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(牛蒡)

永世棋聖が懸かるシリーズ

藤井棋聖が初めてタイトルを獲得したのは2020年の第91期棋聖戦。前述したように現在まで4連覇中で、今期防衛すれば自身初の永世称号、永世棋聖の資格を獲得します。

これまで永世棋聖を獲得したのは、大山康晴、中原誠、米長邦雄、羽生善治、佐藤康光の5人(段位、敬称略)。最年少は中原永世棋聖の23歳11ヵ月。これは棋聖戦以外を含めても最年少の永世称号獲得記録。7月生まれの藤井棋聖は現在21歳です。最年少記録の更新が懸かっています。

以下はタイトルごとの藤井棋聖の獲得期数、永世称号獲得条件、最年少永世記録。藤井棋聖は、棋王戦以外の7棋戦で記録更新が可能です。

永世竜王 現在3期 連続5期もしくは通算7期(獲得時最年少=渡辺明24歳7ヵ月)
永世名人 現在2期 通算5期(中原誠28歳)
永世王位 現在4期 連続5期もしくは通算10期(羽生善治26歳)
永世叡王 現在3期 通算5期保持(獲得者なし)
名誉王座 現在1期 連続5期もしくは通算10期(羽生善治25歳11ヵ月)
永世棋王 現在2期 連続5期(羽生善治24歳5ヵ月)
永世王将 現在3期 通算10期(羽生善治35歳)
永世棋聖 現在4期 通算5期(中原誠23歳11ヵ月)

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(牛蒡)

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