終局直後
(杉本和陽五段は初のタイトル挑戦。規定により六段昇段)
――本局を振り返って。
杉本 準備してきた形にはなったんですけど、昼食休憩の局面で想定から外れてしまって、思わしい順があまり見えなかったので、作戦がどうだったかという感じはしていました。
――夕方くらいまで苦しい状況が続いていたか。
杉本 はい、苦しい展開だと思いました。
――どこで好転したか。
杉本 ▲3三桂(103手目)と打ったあたりで少し楽しみが出てきたのかなと思いました。
――抜け出したと思った局面は。
杉本 最後の詰みが見えたあたりです。
――初めてのタイトル戦となる。
杉本 棋士になったときは、自分がタイトル戦に出るのは想像しがたい部分もあったんですけど、腐らずやってきてよかったと思います。
――五番勝負では藤井聡太棋聖に挑む。
杉本 人生でもなかなかない機会だと思うので、できることはすべてやって臨みたいと思います。
――タイトル挑戦で六段に昇段した。
杉本 段位をひとつ上げるのも大変だったので、そこは素直にうれしく思います。
(永瀬九段はあと一歩で挑戦権を逃した)
――本局を振り返って。
永瀬 ▲2八銀打(87手目)の局面は、さすがによくなったと思いました。
――夕方くらいまで、かなりよかったか。
永瀬 よかったですけど、うーん。何といいますか、盤上だけでいうと、もう少し形勢がよくなったという決断をすべきだった気がします。
――どこで形勢が難しくなってきたと感じたか。
永瀬 ▲5七歩(99手目)をうっかりしてしまって、急に粘る感じになってしまいました。対局が多いとうっかりしやすんですけど、それが出てしまったのは残念でした。
――棋聖挑戦は惜しくもならなかった。
永瀬 本局は残念でしたけど、ベストは尽くせたのかなと思います。