カテゴリ

第93期棋聖戦挑戦者決定戦

2022年4月25日 (月)

鳩森八幡神社

将棋会館の向かいには鳩森八幡神社があり、新年に境内の将棋堂で祈願祭が執り行われるのが通例になっています。棋力向上や必勝を願う絵馬が奉納されていました。

Img_0080

Img_0083

Img_0088

Img_0090

(文)

堅さ対バランス

20220425d

渡辺名人の持久戦志向に永瀬王座が歩調を合わせ、じっくりした展開になりました。永瀬王座の△2四歩(48手目)は弱点を突くだけにぎょっとしますが、次に△2三金と上がって補強する用意で、その有効性が知られつつあります。実戦は▲8八玉△2三金▲6九銀△3二玉▲6八銀上と進みました。

20220425e

金銀4枚の囲いは以前の矢倉ではよく見られましたが、近年では珍しくなりました。さらに▲9八香~▲9九玉と穴熊に組み替えて堅さを追求する順があり、バランスよく構えている後手とは対照的です。平成の目では玉が堅いほど実戦的に勝ちやすいのですが、令和では玉の薄さを読みの力でカバーし、攻撃に戦力を回す考え方が主流になりました。本局は挑戦権争いだけでなく、時代によって移り変わってきた思想の戦いでもあります。

(文)

東京・将棋会館

東京の拠点である将棋会館は渋谷区千駄ヶ谷にあります。対局場のほかに道場と販売部を備え、棋士だけでなくファンにも親しまれてきました。2024年に移転する予定になっています。

Img_0065

Img_0050001

Img_0068

Img_0075

Img_0061

(文)

対局再開

12時40分に対局が再開され、渡辺名人は数分たってから盤上に手を伸ばしました。両対局者とも険しい表情です。

Img_9930

Img_9951

Img_9962001

Img_9994

Img_0004

Img_0007

Img_0026001

Img_0036

(文)

昼食休憩

12時、渡辺名人が18分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲渡辺名人44分、△永瀬王座56分。昼食の注文は渡辺名人が月替わりA定食「~黒胡麻香る~豚肉と春キャベツの回鍋肉」(紫金飯店)、永瀬王座が山かけそば(ほそ島や)と納豆オムレツキムチ入り単品(鳩やぐら)。永瀬王座は昼食とは別にバナナ3本とホットコーヒーを買い出しで頼んでいます。対局は12時40分に再開されます。

20220425c

Img_9899

Img_9914

Img_9916

Img_9926

Img_9924

(文)

渡辺名人好みの序盤

立ち上がりは渡辺名人が矢倉を目指しました。永瀬王座の速攻含みの構えに対し、右銀を上がるよりも先に▲5六歩(15手目)が趣向です。

20220425a

早めに2筋の歩を交換して角を動かし、▲6七金右(35手目)と堅陣を組み上げました。バランスのいい後手陣とは対照的です。現代感覚は堅さよりもバランスを重視しますが、相手より堅い形を生かして細い攻めをつなぐのは渡辺名人が得意とするところ。最近の名人戦七番勝負でもその強みを生かした勝利がありました。永瀬王座の対策に注目です。

20220425b

(文)

観戦記は産経新聞で

本局の観戦記は勝又清和七段が担当します。今日の産経新聞朝刊に掲載されていてる観戦記は、二次予選の佐々木勇気七段と八代弥七段による一戦。それぞれの師匠の言葉が印象的です。こちらも勝又七段が執筆しました。

Img_9666

Img_9836

(文)

対局開始

定刻の10時、対局が始まりました。渡辺名人は腕組みをして目を閉じ、険しい表情で少しの間そのままの姿勢でした。消費時間には1分が記録されましたが、対局室では長い時間に感じられました。

Img_9786

Img_9846

Img_9859

Img_9882

Img_9883

(文)

朝の対局室

本局は特別対局室で行われます。永瀬王座は9時30分前には対局室に姿があり、渡辺名人は9時40分ごろに入室しました。振り駒の結果は歩が4枚。渡辺名人の先手に決まりました。

Img_9670

Img_9674

Img_9711

Img_9742

Img_9747

Img_9762

Img_9780

(文)

動画中継

本局の模様はABEMAで中継されます。解説はありません。

■ABEMA
https://abema.tv/channels/shogi/slots/Cwn9FoV6D3vfC3

(文)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===