前図で長考していた郷田九段が、11時4分頃に△3五歩を着手。この仕掛け、類型はありますがこの局面では前例がありません。郷田九段が意欲的な新手を繰り出して、盤上は早くも緊張感が増しています。
(八雲)
図の1手前の局面は先手の手が広いところでした。
▲2五桂や▲2五歩、▲2八角、最近では▲6八金右や▲6七金右なども指されています。
本譜の▲1八香は11局の前例があり、戦績は先手5勝、後手6勝。直近の前例は、今年3月24日に行われた第38期棋王戦五番勝負第4局、▲渡辺明竜王-△郷田真隆棋王(当時)戦で指されたもの。渡辺竜王はこの将棋に勝って棋王位を郷田九段から奪い三冠王となりました。両者にとって忘れられない将棋の再現となり、盤上に早くも火花が散っています。
この局面で郷田九段の考慮中に11時を回りました。▲1八香までの消費時間は▲渡辺15分、△郷田10分。
(八雲)