将棋連盟会長に聞く
――将棋連盟会長として初めてタイトル戦に立ち会いました。常務理事時代と比べて気持ちの変化はありましたか?
清水 やらせていただく公務は一緒ですが、内面としては違いますよね。今までは何かあっても「会長」といっていたところ、今度は自分がその立場ですので、見えない部分の重みを感じています。
――前夜祭のあいさつで清水会長は初挑戦の杉本六段について、いろいろなお話をされていましたね。
清水 杉本さんはお人柄が出ているといいますか、自然ですよね。棋譜や産経新聞さんの記事、写真は拝見していますが、杉本さんと対面している数は少ないので、考えてお話をしようとしてもなかなか浮かびませんでした。昨日、お会いしてお姿を拝見したりお話をしたりして感じたりひらめいたりしたことを前夜祭でお話しました。
――女性初の将棋連盟会長については、どのように受け止めていますか。
清水 皆さん、たくさん取り上げていただいてありがたく思います。私が理事にならせていただいたときから、女流枠として入ったわけではなく、他の方と同じ役員といった気持ちでした。私がこの世界に飛び込んだときも周りは男性ばかりでしたから。今回、ああいった(女性初の会長として)取り上げ方をしていただき、そういった意識が初めて芽生えたというのが正直なところです。
――藤井棋聖が活躍を続けて将棋界を牽引している姿をどのように見ていますか。
清水 お忙しいところ、将棋界のためにご自身のお時間を使って普及にも努めてくださって、すごくありがたく思います。皆さまのことや訪れる場所のことなど、思い入れのあるごあいさつやスピーチがいつもよく考えられていて、すごく素敵だなと思います。お聞きするたびにすごく洗練されていって、またすごくユーモアもあって、盤上だけではなくいろいろな意味で進化されていると感じます。
――会長として今後、どのような将棋界にしていきたいですか。
清水 歴史も重みもあって、私ごときが何かできるような将棋界ではございませんが、新役員の方と意見交換をすると、皆さんいろいろな夢や目標を持たれています。ひとつになって同じ方を向いて、伝統は守りつつも新しいことに挑戦して、それを実現していけたらと思っています。
(琵琶)