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2017年7月

2017年7月 1日 (土)

振り飛車攻め合い勝ちの変化

70_270手目△6八銀(図)は控室の検討にありました。以下▲8三桂△8二玉▲9一桂成は、△7七銀成▲同銀△7九金▲同金△7七馬▲8八銀△7九竜▲7七銀△7八金(変化図)で先手玉に必至が掛かります。後手玉は詰まず、これは振り飛車の勝ちになります。居飛車穴熊相手に振り飛車が攻め勝つ変化がありました。


70s実戦は図から▲3四馬としました。これで難しい勝負と見られています。▲3四馬は▲8三桂の筋が消える(△8三同銀▲7三桂に△5一金寄ができる)のがデメリットですが、自陣に利かして攻防手です。


(牛蒡)

16時ごろの控室

6416時ごろ、「一手指したほうがよく見える」と声が上がる難しい戦い。勝又六段を中心に(1)▲2七歩△同飛成▲1六角△2二竜、(2)▲1五角△2九飛成▲3三角成といった順が検討されています。(2)が本命とのこと。

「互いに粘っこい攻め、粘っこい受けがあり、面白い将棋です」と勝又六段。


Dsc_8417 (勝又六段)

Dsc_8426 (勝又六段はその後、ニコ生に電話出演。現地情報を伝えた)

Dsc_7926日本将棋連盟沼津支部の方から控室に差し入れをいただいた)

(牛蒡)

沼津倶楽部

「沼津倶楽部」は明治40年(1907年)にミツワ石鹸二代目・三輪善兵衛氏が建てた別邸が前身。現在は社団法人沼津倶楽部の所有です。2006年、建築家・渡辺明氏の設計による宿泊棟を増築され、会員制ゲストハウス沼津倶楽部として再興。2014年11月、その歴史的・美術的な価値が評価され、国の有形文化財に登録されました。

Dsc_8375 (対局室にはこの入り口から入る)

Dsc_8377 (数寄屋造りの北棟と南棟、長屋門が登録有形文化財)

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Dsc_8386 (宿泊棟)

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Dsc_8393 (控室)

(牛蒡)

千本松原

沼津倶楽部から御用邸までは車で10分ほどですが、その間、海岸線は「千本松原」が続いています。今日は波が強く、マリンスポーツを楽しむ人の姿もありました。

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Dsc_8325 (海風による塩害も守ってきた松原。風の方向に傾いている)

Dsc_8328 (沼津のすぐ向かいは伊豆半島)

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加藤一二三九段

観戦ツアー参加者限定で加藤一二三九段の解説会が開かれています。場所は沼津御用邸記念公園東附属邸。室谷由紀女流二段、中村桃子女流初段、飯野愛女流1級も参加しています。

なお、現役を引退した加藤九段は、昨日引退会見を開いたばかりです。

Dsc_8291 (沼津御用邸記念公園東附属邸)

Dsc_8238_1 (「私ならノータイムで棒銀。それなら羽生さん困ってたでしょう」と加藤九段)

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Dsc_8274 (こちらの控室でも検討が進められていた。室谷女流二段)

Dsc_8315 (飯野女流1級)

(牛蒡)

午後のおやつ

斎藤七段はホットコーヒーとフルーツ盛り合わせ。
羽生棋聖はフロマージュ・ドレスデン(チーズケーキ)とホットレモンティー。
ケーキは市内の「パティスリー・リラ」のもの。

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大盤解説会始まる

14時になり、現地では大盤解説会が始まりました。開会の前に日本将棋連盟会長の佐藤康光九段があいさつしました。

20170701_sato1 (佐藤康光九段は「沼津は初めてきましたが、風光明媚なところだと思いました。今日の解説会だけでなく、大盤解説会にも多くの方がお越しくださり、あらためてファンの方の熱気を感じました。た。タイトル初挑戦の斎藤七段は2連敗で、踏ん張りどころです。今日の対局につきましては、明日の産経新聞も買っていただいて、余韻にひたってくだされと思います」と話した)

20170701_ooban1 (中尾五段と藤田女流二段が担当)
(銀杏)

2006年対局の観戦記

Dsc_8216 (佐藤康光九段が保管していた観戦記。佐藤九段の自宅からFAXで送られてきた)

第78期棋聖戦最終予選
 2006年12月4日 於・東京・千駄ヶ谷・東京将棋会館

 持ち時間 ▲三冠 羽生 善治
 各3時間 △九段 藤井  猛

▲7六歩  △3四歩  ▲2六歩  △4四歩  ▲4八銀  △4二飛  ▲6八玉  △9四歩  
▲7八玉  △7二銀  ▲5六歩  △5二金左▲5八金右△9五歩  ▲5七銀  △3二銀  
▲2五歩  △3三角  ▲7七角  △7四歩  ▲3六歩  △6二玉  ▲8八玉  △4三銀  
▲7八金  △7三桂  ▲6六歩  △6四歩  ▲9八香  △4五歩  ▲9九玉  △5四銀  
▲6七金右△7一玉  ▲8八銀  △8四歩  ▲3五歩  △同  歩  ▲2四歩  △同  歩  
▲6五歩  △同  桂  ▲3三角成△同  桂  ▲2四飛  △5七桂成▲同  金  △4六歩  
▲同  歩  △4八角  ▲6八角  △5九銀  ▲7九角  △1五角成▲2一飛成△1四馬  
▲6七金寄△4一飛  ▲2二竜  △6九馬  ▲7七金上△2八歩  ▲同  竜  △4七歩  
▲3四歩  △2五桂  ▲同  竜  △4八歩成▲2二竜  △5八と  ▲8六桂  △6三銀引
▲5五桂  △6八と  ▲6三桂成△同  金  ▲5二銀  △4二歩  ▲3二竜  △5一飛  
▲同  銀成△同  金  ▲2一飛  △6二銀  ▲6八角  △同  銀不成▲3一竜  △7七銀成
▲同  金  △6一金打▲7八銀  △5八角  ▲6九銀  △同  角成▲3三歩成△8五桂  
▲4二と  △7七桂不成▲同  銀  △7八銀▲5一と  △7九金  ▲6一と  △8二玉  
▲8八金  △8九銀成▲同  金  △同  金  ▲同  玉  △7八金  ▲9九玉  △7七金  
▲9四桂打
 まで、113手で羽生 善治三冠の勝ち。
(消費時間=▲2時間59分、△2時間59分)

(牛蒡)

対局再開

Dsc_8146 (羽生棋聖が先に戻ってきた。観戦ツアーに参加した方たちが観戦している)

Dsc_8170 (続いて斎藤七段が席へ)

Dsc_8134 (観戦していた少年のお守り)

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Dsc_8202 (斎藤七段は左胸に手を当てる仕草が何度かあった)

Dsc_8190 (斎藤七段が着手)

Dsc_8191 (歩をぶつける▲3五歩。先手から仕掛けた)

Dsc_8201 (▲3五歩の直後)

(牛蒡)

休憩中の対局室

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Dsc_8089 (今日から7月。対局室に扇風機が追加された。タワータイプのものも扇風機)

Dsc_8095 (休憩中の盤面)

Dsc_8087 (床に掛けられた牧水の軸)

(牛蒡)

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