前夜祭 両対局者 決意表明
(羽生棋聖)
「能美市の辰口温泉は今回初めて来ました。石川県は金沢や松任はよく来ていたのですが、
知らなかったところだったのですが、こんないいところがあるのかと感じてました。
先ほど対局場の検分をしまして、静かな落ち着いた素晴らしい場所を提供してくださったことありがたく思います。
棋聖戦は持ち時間4時間でスピーディーに進みますが、若手代表の豊島さんと生きのいい将棋を指せればと思っていますし、大盤解説会が行われるので将棋が面白いと思えるような内容を指したいと思います」
(豊島七段)
「本日は多くの方にお集まりくださりありがとうございます。
石川県には初めて来ましたが棋聖戦の挑戦者に決まってから、まつさきさんの宿はとてもいいと聞いていまして、今日来るのを楽しみにしていました。
実際来てみて、私の部屋に露天風呂がついていて大変感激いたしました。対局室も落ち着いたところでいい将棋が指せそうだなと思いました。今日一日リフレッシュしていい将棋を指せるように頑張ります」
(対局会場である「まつさき」の松崎陽充社長)
「大勢の方にお集まりくださりありがとうございます。3月に北陸新幹線が開通して近くなったとはいえ、羽生さん豊島さん、はるばるお越しくださり感謝申し上げたいと思いますし、光栄に思います。お褒めの言葉をいただきましてありがとうございます。関係者の方々にも大変感謝しております。
当館ですが、9年前の6月にもあるタイトル戦が行われました。そのときの前夜祭にしても様変わりしました。羽生さんの魅力なのか、豊島さんの魅力なのか、井上理事の魅力なのか、あるいは大内先生の魅力なのかもしれませんが、本当に素晴らしい前夜祭にしてくださりました。
真面目な話をしますと、私はすべての人間に役割があると思っています。多くの人は役割の中で社会に貢献しています。私たちの旅館はおもてなしという形でなんとか世の中の役に立っております。
棋士といえば、とんでもない才能を持って生まれて、常人にはうかがい知ることのできない努力を重ねて、自分の役割をつかんでこられたと思います。私にはうまく表現できませんが、普通の人にはできない尊い役割を世の中で果たしているのではないかと思います。これからも精進をしていただき、人をひきつけ人を幸せにする役割を究めていただきたいと思います。
将棋界も大変変化の激しい時代になっている。いまの時代だからこそ将棋に意味があるんだという世界を目指していただきたいと思います。
明日はいよいよ本番です。みなさまもご支援のほどよろしくお願いいたします」
(書き起こし・銀杏、写真・吟)