(終局直後の対局室)
【羽生善治棋聖インタビュー】
--今日の将棋を振り返ってください。
先後が逆の形はあるのですが、同じ将棋はないので序盤から気をつかいました。難しい、形勢不明の将棋が続いていたのではないかと思います。
--形勢好転を感じたのは。
△6四玉(112手目)のところは勝っているかなと思いました。それまでは何かあったら負けだったので怖いと思って指していました。
--△7七歩(80手目)では△7六香も検討していました。
それもあったかもしれません。▲同金のあとに成算が持てなかったですが、△7六香と指さないといけなかったかもしれません。
--昼休後の豊島さんの長考(50手目△8五歩)のあたりはどうでしたか。
どう指されるかわからなかったですが、攻め合いを目指さないと攻め込まれてしまうので仕方がないかなと思っていました。
【豊島将之七段インタビュー】
--▲2六歩(17手目)については。
作戦でした。最近、似た将棋を指しましたし。でもうまくいっていなかったような気がしていました。
--長考のあたりは(50手目△8五歩)どう見ていましたか。
互角にできる変化を発見できなかったので、その後は苦しいと思って指していました。
(インタビューを終え、大盤解説会場に向かった)
(翔)
第86期棋聖戦五番勝負第1局は114手で羽生棋聖が勝ちました。終局時刻は19時5分。消費時間は▲豊島3時間59分、△羽生3時間55分(持ち時間各4時間)。
第2局は6月16日(火)に石川県能美市「まつさき」で行われます。
(翔)
久保九段はこれまで形勢判断に慎重な姿勢でしたが、「▲7二飛でも△5三玉▲6二飛成に△6四玉と逃げて寄りません。羽生棋聖の勝ちです」とはっきりした口調で言いました。
(翔)
図は△4三玉と3三から逃げた手に対し、▲4八飛と当たっていた飛をかわしたところ。先手の攻めを後手が受け止めた格好です。
後手玉は詰めろがかからない形なので、後手が攻勢に出て勝ちそうと言われています。
(翔)