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2010年6月 8日 (火)

【梅田望夫観戦記】(7)未来の将棋観戦の方向性を探る実験

 今日の将棋はここまでお伝えしてきたように、午後の早い時間から「計算の世界」に突入。

 ある手を考え、詰みまで深く読んではその手を捨てたり残したり、また別の手を読み……、ということを延々と繰り返しながら、指し手を決めていく将棋になった。こういう将棋は、大盤解説をリアルタイムで鑑賞しながら観るのに、特に向いていると思う。

 幸いなことに、今日はこれからネット上で「ライブストリーミング大盤解説会」という、新しい試みがある。動画共有サービス「Ustream」上の このページ にアクセスすることで、家に居ながらにしてプロ棋士による大盤解説を楽しむことができるのだ。

 米長会長のサイトでも、「近頃は西尾明君が何やら新しいものを持ち込んできました。棋聖戦第一局を本人が独自の中継をするんだとか。若い人達が大勢で電子メディア部を盛り立ててくれています。感謝。電子メディアこそ、私の若い人への最大の置き土産です」と紹介されているが、これは西尾五段が構想した、今日初めての試み。野月七段、飯島六段、佐藤(和)五段のほか、チャット解説の飯塚七段も参加する予定とのこと。

 Ustreamを使えば、誰もが自由に動画を配信する「放送局」になれる。また、Ustream上のライブ中継には、Twitterなどのサービスとの連携によって、チャットのような感覚で、視聴者もインタラクティブに参加することもできる。そんな新しい技術を、将棋観戦にも応用していこうという動きだ。

 視聴者は「ライブストリーミング大盤解説会」を観ながら即座にコメントし、中継する側も、その瞬間ごとの視聴者のリアクションを観ながら、内容に反映していったりする。プロ棋士の解説を聴くだけでなく、質問を投げかけたり、一緒に視聴している見知らぬ誰かと感想を述べ合ったり……。かつて、テレビやラジオの番組にハガキやFAXで感想を投稿したようなやりとりを、世界中のどこからでも「生」の状態で楽しめる。ただ一方的に解説映像を観るという以上の楽しみがあるはず。

 そういう未来の将棋観戦の方向性を探る実験が、これから行われる(※15時から、途中休憩あり)。どうぞお楽しみに。

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