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2009年7月 9日 (木)

勝又教授の角換わり講義(2)

Kisei_258 1220090709

12手目は作戦の岐路です。角換わりには腰掛け銀、早繰り銀、棒銀と3つの作戦がありますが、腰掛け銀は銀だけでなく桂も使っていくので持久戦の将棋になりますね。早繰り銀と棒銀は急戦のジャンルといえます。

当初は、一手損角換わりを直接的にとがめるなら、早繰り銀が有効ではないかと言われていました。棋聖戦第2局を見ていただけばわかるように、早繰り銀に対して後手は△8五歩と飛車先を突き、反撃を目指す形になります。
要するに、後手はまるまる一手遅れた形で、従来の早繰り銀対腰掛け銀の定跡を踏襲しなければいけない。一手損を直接とがめるというのは、こういう意味です。

ところが最近、この戦型は後手がずいぶんと分がいい。木村さんも棋聖戦の挑戦者決定戦をはじめ、他棋戦でも勝ちまくってるんですね。
一般的に角換わりでは、腰掛け銀>早繰り銀、早繰り銀>棒銀、棒銀>腰掛け銀というジャンケンの法則が当てはまります。どうやらこの場合は、腰掛け銀>早繰り銀の法則の方が、手の損得よりも大きいようです。(勝又六段・談)

(烏)

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