五番勝負日程
福間香奈女流王位に西山朋佳女流三冠が挑戦する第36期女流王位戦五番勝負は、下記の日程で行われます。
第1局 4月24日(木)兵庫県姫路市「里湯ひととき 夢乃井」
第2局 5月13日(火)北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」
第3局 5月25日(日)福岡県飯塚市「麻生大浦荘」
第4局 6月12日(木)徳島県板野郡「樫野倶楽部樫野邸」
第5局 6月25日(水)東京都渋谷区「東京・将棋会館」
以上で本局の中継を終了いたします。ご観戦いただき、ありがとうございました。
(玉響)
福間香奈女流王位に西山朋佳女流三冠が挑戦する第36期女流王位戦五番勝負は、下記の日程で行われます。
第1局 4月24日(木)兵庫県姫路市「里湯ひととき 夢乃井」
第2局 5月13日(火)北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」
第3局 5月25日(日)福岡県飯塚市「麻生大浦荘」
第4局 6月12日(木)徳島県板野郡「樫野倶楽部樫野邸」
第5局 6月25日(水)東京都渋谷区「東京・将棋会館」
以上で本局の中継を終了いたします。ご観戦いただき、ありがとうございました。
(玉響)
――女流王位戦で初めて五番勝負に出場した福間香奈女流王位との第33期女流王位戦五番勝負第1局は、239手の大熱戦だった。
西山 私の公式戦の対局のなかでもトップクラスで長手数。時間的にもフルに使い、満身創痍だったのを覚えているので、福間さんと指した対局のなかでも印象に残っている一局です。
――ストップウォッチ方式で4時間というのが女流王位戦五盤勝負の特徴。この持ち時間については、どのように捉えているか。
西山 時間に比例して、背景にたくさん読みがある将棋になるというか、重厚な将棋になる可能性が高いのかなと思っています。やっぱり一手一手、気が抜けない度合いが上がって、その分、濃厚になるのかなというイメージはあります。
――各棋戦で福間女流王位との対局が続いているが、いまの福間女流王位は休場前と比べて変化されたと思う部分があるか。
西山 休場明けでどういった展開になるか私も未知数だったんですけれど、福間さんは休場前と全然、変わらないクオリティというか、より私が押されている内容の将棋が多くて。公式戦あるなしにかかわらず、熱意を持って将棋に取り組まれているんだなと感じました。
――西山女流三冠も棋士編入試験を含め、その熱意に負けないくらい将棋に取り組んでいると思われる。その辺りはどのように捉えているか。
西山 ここ半年くらいが、やっぱり編入試験に照準を合わせていて、半年間はできるだけ将棋に集中しようという意識でやっていました。ただ、性格的に一年を同じようにっていうのが難しい面もあります。一呼吸つくタイミングはあるんですけど、また対局が増えるにつれて、自然と将棋に向き合う時間は長くなっていくのかなと思います。
――男性棋士との戦いを経て、自身の将棋が変わってきた実感はあるか。
西山 編入試験に向けて戦法の幅を広げることは意識しており、課題でもあると思っていました。前々からいろいろ手を出してはいたんですけど、深く考えるきっかけになったというか。公式戦で現れたりしなくても、自分のなかで理解が進んだような将棋もあったので、そこに関しては変化なのかなと思います。家で勉強することが増えたというか、研究会を全然やっていないので、意外と実戦不足な面があって。そこが公式戦で指しているとき如実に出てしまう面もあるので、本当にバランスが大事だなっていうのを感じています。
――タイトル戦で福間女流王位との連戦が続くことについては。
西山 福間さんとは80局も指しているということで、前例だったり、そのカードならではの水面下の駆け引きがたくさんあるんですけど、多分、見てくださってる方には伝わらなくなっているところもあると思っています。私のほうに内容を上げなければいけない課題があると思っているので、こうやってタイトル戦に出させていただくことはすごく貴重なことだと感じていますので、その機会を無駄にしないようにて、しっかり自分の納得がいく形で番勝負を進めていきたいなと思っています。
――女流王位戦の番勝負では各地を転戦する。
西山 対局が多くなるとプライベートで遠出ができないので、こういった機会に対局のほかに楽しみもいただいているような感じで。前回の五番勝負もそうでしたし、地方のいろいろなところに行かせていただくのがモチベーションの一つになっています。
――今回の五番勝負では、北海道、そして西日本で大盤解説会が予定されている。現地の将棋ファンに向けて、どのような将棋を指したいという思いがあるか。
西山 特に地方に行かせていただく際は、現地の方々にとって珍しい機会ということで、楽しみにしてくださっている方も多いのかなと思っています。大盤解説会だったり、大々的にやっていただけるということで。本当にまだまだ力が足りないんですけれども、自分なりにいい将棋を指していけるように頑張りたいなと思っています。
――福間女流王位との五番勝負は、どのような勝負になると考えているか。
西山 なんて言うんでしょう。もう、かなり築き上げられたワールドみたいな将棋が早々に始まるんですが、細かいところで福間さんに工夫がたくさんあるので、そこになんとか対応していくような形が最近は多いです。とにかく指し回しが熟練だなと感じていまして。なんとか突破口を見つけていかないと、と思っています。
(玉響)
(終局直後はインタビューが行われた)
【西山女流三冠の談話】
――▲7一角成(67手目)の辺りについて。
西山 △6四角(56手目)が見えていなくて、これしかないといった感じで進んだ順だったんですけど、飛車が成られるような形なので、厚みを作っていけるかどうかといったところだと思っていました。
――その後、激しい攻め合いになった。
西山 ▲2四歩(75手目)△同銀が入った形で角を手持ちにしたので、かなり後手玉が寄りやすくなったかなと。こちらも怖い形ではあるんですけど、ギリギリ残しているのかなと思いながら指していました。
――女流王位戦は2度目の挑戦権獲得となった。
西山 前回(第33期女流王位戦五番勝負)は長手数の将棋になったことが記憶に残っているんですけど、今回もそういった将棋を指して、充実できるように頑張りたいと思います。
――対戦する福間女流王位について。
西山 ここ最近は特に作戦の段階で失点することが多いので、その辺りを調整して挑んでいけたらと思います。
【伊藤女流四段の談話】
――△8七飛成(86手目)の辺りについて。
伊藤 足りないのかなと。カナ駒がいる割に堅くないなという感じで、そこをうまく攻められてしまいました。
――今期の女流王位戦を振り返って。
伊藤 対戦が多くない方とリーグ戦で当たったりして、そういう意味では新鮮でした。難しい将棋が多かったので、挑戦者決定戦まで進めたことはよかったなと思っています。
(玉響)
99手で、西山女流三冠が伊藤女流四段をくだしました。終局時刻は16時8分。消費時間は▲西山2時間21分、△伊藤2時間25分。勝った西山女流三冠は、福間香奈女流王位への挑戦権を獲得しました。西山女流三冠の女流王位挑戦は、3期ぶり2回目です。第36期女流王位戦五番勝負は、4月24日(木)に兵庫県姫路市「里湯ひととき 夢乃井」で開幕します。
(睡蓮)
図は昼食休憩明けから数手ほど進んだ局面。実戦は▲5六銀左と進みましたが、代えて▲4四歩△3三金寄▲2五桂(参考図)も魅力的に映るところです。以下△2四金なら▲4三歩成の開き王手が強烈です。
しかし、参考図では6四角の利きを生かす△2八歩や△2七歩といった反撃が気になるところでした。先手は▲3三桂成で金桂交換の駒得に持ち込んでも、主砲の飛車を押さえ込まれては攻撃力が半減してしまいます。
控室では本日の対局立会人を務める佐藤義則九段が継ぎ盤で検討しています。図から▲5六銀左の局面は互角と話しており、「これで先手が悪ければもともとの作りが悪い」という見解を示しました。
(玉響)