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2025年3月14日 (金)

囲み取材

20250314a7300857――女流王位戦で初めて五番勝負に出場した福間香奈女流王位との第33期女流王位戦五番勝負第1局は、239手の大熱戦だった。

西山 私の公式戦の対局のなかでもトップクラスで長手数。時間的にもフルに使い、満身創痍だったのを覚えているので、福間さんと指した対局のなかでも印象に残っている一局です。

――ストップウォッチ方式で4時間というのが女流王位戦五盤勝負の特徴。この持ち時間については、どのように捉えているか。

西山 時間に比例して、背景にたくさん読みがある将棋になるというか、重厚な将棋になる可能性が高いのかなと思っています。やっぱり一手一手、気が抜けない度合いが上がって、その分、濃厚になるのかなというイメージはあります。

――各棋戦で福間女流王位との対局が続いているが、いまの福間女流王位は休場前と比べて変化されたと思う部分があるか。

西山 休場明けでどういった展開になるか私も未知数だったんですけれど、福間さんは休場前と全然、変わらないクオリティというか、より私が押されている内容の将棋が多くて。公式戦あるなしにかかわらず、熱意を持って将棋に取り組まれているんだなと感じました。

――西山女流三冠も棋士編入試験を含め、その熱意に負けないくらい将棋に取り組んでいると思われる。その辺りはどのように捉えているか。

西山 ここ半年くらいが、やっぱり編入試験に照準を合わせていて、半年間はできるだけ将棋に集中しようという意識でやっていました。ただ、性格的に一年を同じようにっていうのが難しい面もあります。一呼吸つくタイミングはあるんですけど、また対局が増えるにつれて、自然と将棋に向き合う時間は長くなっていくのかなと思います。

――男性棋士との戦いを経て、自身の将棋が変わってきた実感はあるか。

西山 編入試験に向けて戦法の幅を広げることは意識しており、課題でもあると思っていました。前々からいろいろ手を出してはいたんですけど、深く考えるきっかけになったというか。公式戦で現れたりしなくても、自分のなかで理解が進んだような将棋もあったので、そこに関しては変化なのかなと思います。家で勉強することが増えたというか、研究会を全然やっていないので、意外と実戦不足な面があって。そこが公式戦で指しているとき如実に出てしまう面もあるので、本当にバランスが大事だなっていうのを感じています。

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――タイトル戦で福間女流王位との連戦が続くことについては。

西山 福間さんとは80局も指しているということで、前例だったり、そのカードならではの水面下の駆け引きがたくさんあるんですけど、多分、見てくださってる方には伝わらなくなっているところもあると思っています。私のほうに内容を上げなければいけない課題があると思っているので、こうやってタイトル戦に出させていただくことはすごく貴重なことだと感じていますので、その機会を無駄にしないようにて、しっかり自分の納得がいく形で番勝負を進めていきたいなと思っています。

――女流王位戦の番勝負では各地を転戦する。

西山 対局が多くなるとプライベートで遠出ができないので、こういった機会に対局のほかに楽しみもいただいているような感じで。前回の五番勝負もそうでしたし、地方のいろいろなところに行かせていただくのがモチベーションの一つになっています。

――今回の五番勝負では、北海道、そして西日本で大盤解説会が予定されている。現地の将棋ファンに向けて、どのような将棋を指したいという思いがあるか。

西山 特に地方に行かせていただく際は、現地の方々にとって珍しい機会ということで、楽しみにしてくださっている方も多いのかなと思っています。大盤解説会だったり、大々的にやっていただけるということで。本当にまだまだ力が足りないんですけれども、自分なりにいい将棋を指していけるように頑張りたいなと思っています。

――福間女流王位との五番勝負は、どのような勝負になると考えているか。

西山 なんて言うんでしょう。もう、かなり築き上げられたワールドみたいな将棋が早々に始まるんですが、細かいところで福間さんに工夫がたくさんあるので、そこになんとか対応していくような形が最近は多いです。とにかく指し回しが熟練だなと感じていまして。なんとか突破口を見つけていかないと、と思っています。

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(玉響)

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